講演情報

[I-CSY2-15]フォンタン術後の蛋白漏出性胃腸症の発症要因、治療効果、生活実態分析のための全国調査

住友 直文1, 石田 秀和2, 犬塚 亮3, 高月 晋一4, 小林 徹5, 豊野 学朋6, 森 有希7, 宗内 淳8, 石戸 美妃子9, 山岸 敬幸1,10 (1.慶應義塾大学 医学部 小児科学教室, 2.大阪大学 大学院医学系研究科 小児科学, 3.東京大学 医学部附属病院 小児科, 4.東邦大学医療センター大森病院 小児科, 5.自治医科大学 地域医療学センター 公衆衛生学部門, 6.秋田大学 大学院医学系研究科 医学専攻 機能展開医学系 小児科学講座, 7.国立循環器病研究センター 成人先天性心疾患センター, 8.JCHO九州病院 循環器小児科, 9.東京女子医科大学病院 循環器小児・成人先天性心疾患科, 10.東京都立小児総合医療センター)
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キーワード:

フォンタン循環、蛋白漏出性胃腸症、全国調査

【背景】フォンタン術後の蛋白漏出性胃腸症(F-PLE)は難治性疾患であり、中心静脈圧上昇やリンパ循環異常など多因子が関与するとされるが、不明な点も多い。臨床経過は軽症から致死的経過まで多様であるが、その違いや最適な治療戦略については十分に解明されていない。このようにF-PLEは、臨床経過や治療戦略に関する課題が多いものの、稀少疾患であるため大規模検討は限られている。【目的】F-PLEに関する全国調査を行い、発症要因、臨床経過、治療効果、予後を明らかにする。【方法】本研究は厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患対策)の支援のもと実施した。2025年10–11月の期間、学会評議員を通じて各施設から回答を得るWeb一次調査を行い、2014年1月–2024年12月の期間に新規発症したF-PLEの症例数、死亡数、治療状況を後方視的に集計した。【結果】92施設から回答を得た(大学病院47%、小児病院19%、市中病院31%)。対象期間中の新規発症259例中、死亡30例(11.6%)、現在まで診療継続例は216例であり、その他(転院・追跡不能など)は13例であった。F-PLEに行われる治療(施設割合)は利尿薬92%、アルブミン補充84%、ステロイド82%、ヘパリン80%、肺血管拡張薬80%、食事療法70%が多く、カテーテル・外科的介入としては、経皮的フォンタン経路拡張52%、ステント36%、外科治療45%、リンパ循環への介入13%であった。多くの施設では、複数診療科・多職種がF-PLEの診療に関わっていた(診療科・職種数の中央値4、IQR 2–6)。【結論】一次調査により、全国規模の症例数、死亡率および診療の多様性が明らかとなった。今後の二次調査(2026年度予定)により、F-PLE発症のリスク因子、臨床経過、有効な治療戦略、予後を含め詳細な解析を進める予定である。