講演情報
[I-DPAL-3]Fontan術後患者におけるカテーテル検査時の容量負荷に伴う中心静脈圧変動と関連因子の検討
○稲瀬 広樹, 田中 敏克, 上原 晴香, 渡邉 望, 中井 亮佑, 久保 慎吾, 三木 康暢, 亀井 直哉, 小川 禎治, 城戸 佐知子 (兵庫県立こども病院)
キーワード:
Fontan循環、中心静脈圧、心室拡張能
【背景】Fontan循環において中心静脈圧(CVP)は循環動態や運動耐容能,遠隔期予後と関連する重要な指標である.肺動脈形態やfenestrationの有無などがCVPに影響すると考えられるが,容量負荷に伴うCVP変動と関連因子の検討は少ない【目的】Fontan術後患者におけるカテーテル検査時の容量負荷に伴うCVP変動と関連因子を明らかにする【方法】2023年4月から2025年10月にカテーテル検査を施行したFontan術後患者115例のうち,同時にカテーテル治療施行例や染色体異常合併例を除外した71例を対象とした.カテーテル検査開始時と終了時のCVP上昇幅4mmHg未満をA群,4mmHg以上をB群とし,年齢,造影剤・輸液量,検査時間,CVP,PA index,肺血管抵抗,fenestrationの有無,主心室形態・拡張末期圧(EDP),心係数を比較した【結果】年齢は12(7-19)歳,造影剤・輸液量は397(314-468)mL/m2,検査時間は58(50-75)分で群間差はなかった.EDPはB群で有意に高値であった(9.0±3.3 vs 7.1±2.2 mmHg).他項目に有意差はなく,EDPと年齢に正の相関を認めた。【考察】Fontan循環では前負荷制限下の非拍動性肺血流により,心室拡張能低下が容量負荷時の循環応答に影響しやすい.CVP上昇幅は主心室拡張末期圧と関連し,潜在的拡張能低下を反映する可能性が示唆された.【結論】EDPおよび容量負荷時のCVP変動はFontan循環における拡張能低下を反映する指標となり得る可能性があり,EDP高値でなくとも容量負荷時のCVP変動が大きい症例ではフォローアップにおいて形態的評価に加え心機能,とくに拡張能の経時的評価が重要である.
