講演情報

[I-OR01-03]先天性心疾患術後患者における新規心不全治療薬の使用状況:当院での経験

福田 優人, 石井 陽一郎, 海陸 美織, 加藤 周, 西野 遥, 山崎 隼太郎, 林 賢, 松尾 久実代, 浅田 大, 青木 寿明 (大阪母子医療センター 循環器内科)
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キーワード:

成人先天性心疾患、ARNI、SGLT2阻害薬

【背景】新規心不全治療薬は成人期の慢性心不全の長期予後改善効果が示されている一方で、薬剤によっては導入に際して副作用により導入困難となることもある。先天性心疾患患者においても同様であると推測されるが報告は少ない。【目的】当院におけるCHD術後患者に対する新規抗心不全薬の導入状況について検討すること。【方法】当院でCHD術後患者に対して新規抗心不全薬(ARNI, SGLT2阻害薬, エプレレノン, イバブラジン)が投与された患者を後方視的に検討した。【結果】薬剤の導入症例は、ARNI24例、SGLT2阻害薬34例、エプレレノン2例、イバブラジン2例。ARNIは導入後5例で腎機能悪化のために投与中止となった(投与期間中央値27日)。単心室患者(17例)と二心室患者(7例)とでは中止率に有意差はなかった。中止例では推定糸球体濾過量(eGFR; ml/min/1.73m2)が有意に低く(71.96±10.8 vs 100.6±26.8, p=0.03)、体心室拡張末期圧(EDP; mmHg)が高く(14.8±2.9 vs 10.2±3.2, p=0.03)、NYHAは高値であった(3.4±0.9 vs 1.7±0.9, p=0.001)。SGLT2阻害薬は22例がFontan患者で導入されていた(投与期間中央値255日)。開始後2か月以内に腎機能低下をきたした症例は26%(6/23例)であったが2例は併用していたARNIの中止で改善、3例は薬剤変更なく改善した。1例は早期に心移植目的に転院となった。低血糖は認めなかった。【考察】ARNIは導入後早期に腎機能低下により中止となる割合が多いが投与開始前にNHYAが高値、腎機能低下、EDP上昇がリスク因子と考えられた。一方で、単心室患者においても臨床症状が増悪する前に導入することで安全に継続できていると考えられる。SGLT2阻害薬に関しては一時的な腎機能低下はあるが比較的安全に使用を継続できることが示唆された。【結論】ARNI投与に際しては特に腎機能やEDP、臨床症状の悪化のある症例では慎重な導入が必要だが、SGLT2阻害薬に関しては安全に導入できると考えられる。