講演情報

[I-OR01-04]成人期を迎えたHLHS患者に対する医療介入の限界

馬場 健児1, 近藤 麻衣子1, 福嶋 遥佑1, 重光 祐輔1, 川本 祐也1, 原 真祐子1, 水戸川 昴樹1, 杜 徳尚2, 岩崎 達雄3, 笠原 真悟4 (1.岡山大学 小児循環器科, 2.岡山大学 循環器内科, 3.岡山大学 小児麻酔科, 4.岡山大学 心臓血管外科)
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キーワード:

HLHS、ACHD、Fontan

【はじめに】当院で左心低形成症候群(HLHS)に対する Norwood 手術を開始したのは1992年3月である。1998年には術式をmodified Blalock-Taussig(m-BT)shuntから右室-肺動脈(RV-PA)shuntへ変更した。今回、当院でNorwood手術を受け成人期を迎えたHLHS 患者について検討した。【対象・方法】当院でNorwood手術を施行し、2025年11月1日時点で満18歳に達しているHLHS 患者を対象とし、診療録を用いて後方視的検討を行った。【結果】条件を満たすHLHS 患者は69例で、Norwood術式別では、m-BT shunt群の28例と、RV-PA shunt群の41例であった。18歳に到達した症例は全体で34例(49%)であり、m-BT 群では28例中4例(14%)、RV-PA 群では41例中30例(73%)であった。成人到達後の死亡は、m-BT 群で1例(死因:蛋白漏出性胃腸症[PLE]、failing Fontan)、RV-PA 群で2例(死因:PLE・failing Fontan 1例、肝細胞癌 1例)であった。18歳以降に外科手術を要した症例は、 TCPC conversion が2例(施行年齢20歳、21歳)、Bentall 手術が1例(施行年齢25歳)であった。成人期 HLHS 患者の中には、fenestration や veno-venous(VV)shuntにより心拍出量を確保し、SpO2 約80%のチアノーゼを呈しつつも安定した経過をたどる症例や、PLE を合併し胸腹水貯留を来しterminal stageとしている例もあった。SpO2 約90%で状態が安定している症例では、体格が小さい(身長120cm)など必要心拍出量が低いと考えられる症例も認められた。またFontan-associated liver disease(FALD)のフォローは全員行っているが、24歳時に肝細胞癌と診断、部分肝切除2回および化学療法を施行したが26歳で死亡した例など診断は可能だが治療に対しては困難を伴うことが少なくない。【結論】HLHS 患者が成人期を迎えることはもはや稀ではなくなっている。成人期 HLHS に対して可能な限り条件を整える努力は行うものの、現状では支持療法が中心とならざるを得ない。