講演情報

[I-OR02-04]Glenn術後に植込み型VAD(HeartMate 3)と心外導管型Fontan手術を同時に行い心移植まで到達した小児例

原田 元1, 石戸 美妃子1, 池端 綾音1, 竹蓋 清高1, 朝貝 省史1, 島田 衣里子1, 稲井 慶1, 新川 武史2 (1.東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科, 2.東京女子医科大学 心臓血管外科)
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キーワード:

植込み型VAD、単心室循環、心臓移植

【背景】先天性心疾患患者に対する補助人工心臓/心臓移植実施例は少なく、単心室循環患者は更に限定的である。
【病歴】三尖弁閉鎖(IIc)、完全房室ブロックの男児。前医で(1)肺動脈絞扼/PM植込術(3生日)、(2)Glenn、DKS吻合術(5カ月)、(3)CRTデバイス留置術(1歳)、(4)僧帽弁置換術(7歳)と4回の開胸歴あり。僧帽弁置換術前から心機能低下にて強心剤依存、心臓移植適応判定取得済みであり、植込み型VAD目的に当院搬送。
【経過】体格(125cm/21.9kg、BSA 0.89m2)および術前CTシミュレーションから植込み型VAD留置は可能と判断。Glenn循環下VADの不良な成績と、直近のPA圧(15mmHg)/Rp(2.8Wood単位・m2)からFontan循環成立が予想された事から、Fontan+VADの方針とした。手術ではVAD(HM3)は左室心尖に留置し、心外導管型TCPC (16mm ePTFE)、肺動脈弁閉鎖を実施。VAD回転数4100-4400rpmで流量 2.8-3.0L/min/m2、平均血圧 50mmHgで管理。術後1日で抜管、CVPは術後2日の24mmHgをピークに術後7日に13mmHgまで低下。肺血管拡張薬はシルデナフィルとボセンタン、体血管拡張薬はARNIとCa拮抗薬を使用。術後16日に急性硬膜外出血を発症したが保存的治療で軽快、術後75日で退院。退院後は普通学級に復学し、歩行可能で、長距離移動は車椅子を使用。VAD植え込み半年後に体静脈肺静脈側副血管にコイル塞栓を実施。移植待機732日(VAD植込み後625日)の8歳時にドナー心提供があり、移植前日に体肺動脈側副血管コイル塞栓を実施、Bi-caval法による心移植を実施。donor特異的抗体陰性、免疫抑制療法は3剤併用療法を行い、術後10日1A拒絶を認めたが、免疫抑制調整で改善、術後34日退院した。
【結語】体格の小さい単心室循環に対する植込み型VADによる長期の在宅心臓移植待機は可能であった。体・肺血管拡張薬により体循環・肺循環ともに血管抵抗を下げ、積極的な側副血行塞栓を行う事が良い状態で移植待機を行うために重要と考えられる。