講演情報
[I-OR02-05]Fontan術後に4年間のVAD待機を経て心臓移植に至った1例
○杉山 幸輝1, 戸田 紘一1, 薮崎 将1, 丸山 篤志1, 佐野 海斗1, 長岡 孝太1, 鍋嶋 泰典1, 小島 拓郎1 (1.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科, 2.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科)
キーワード:
移植、VAD、Fontan
【背景】Fontan手術後における内科的治療抵抗性の循環不全(Fontan failure)は、心臓移植の適応となる。本邦では長期のVAD待機が想定されるため、個々の解剖学的・血行動態的特異性によるVAD管理の困難が生じうる。大きな合併症をきたさずに4年間の待機期間を経て移植することができたFontan術後循環不全の小児の一例を報告する。
【症例】症例は三尖弁閉鎖症、両大血管右室起始症、大動脈弁下狭窄症、僧帽弁逆流(MR)の9歳男児。胎児期より僧帽弁逆流を認めていた。段階的修復術を経る中で心不全入院を繰り返しながらも2歳でFontan(TCPC)に到達したが、術後3年で低心拍出症候群を主体とするFontan循環不全を呈し、内科的治療に反応を示さず補助循環を要した。心臓移植適応と判断され5歳でLVAD(EXCOR pediatric)装着となった。MRに対する僧帽弁置換術も含め、LVAD装着まで4回の手術、4回の心不全入院を要した。移植待機中に送血管吻合部の狭窄が生じポンプのempty不良を認めた。そのため高い送血圧を要したが溶血が生じ、LDHの上昇を認めた。抗凝固療法調整、感染管理を徹底し重篤な臓器障害を回避し、移植適応を維持した。4年間の待機期間を経て9歳9ヶ月で心臓移植を行なった。移植前のPRA class 1は1.4%で比較的低値であった。移植後1か月後の心筋生検で急性細胞性拒絶反応を認め、ステロイドパルス療法にて改善した。また移植直後に肝胆道系逸脱酵素の上昇を認めたが半年後に正常化し、Fontan循環の肝予備能低下の影響が示唆された。
【結語】Fontan術後のVADを用いた移植待機は、個々の症例による慎重な管理が重要となる。本症例は、本邦における小児Fontan failure症例の心臓移植において、長期待機管理の可能性を示す一例と考えられた。
【症例】症例は三尖弁閉鎖症、両大血管右室起始症、大動脈弁下狭窄症、僧帽弁逆流(MR)の9歳男児。胎児期より僧帽弁逆流を認めていた。段階的修復術を経る中で心不全入院を繰り返しながらも2歳でFontan(TCPC)に到達したが、術後3年で低心拍出症候群を主体とするFontan循環不全を呈し、内科的治療に反応を示さず補助循環を要した。心臓移植適応と判断され5歳でLVAD(EXCOR pediatric)装着となった。MRに対する僧帽弁置換術も含め、LVAD装着まで4回の手術、4回の心不全入院を要した。移植待機中に送血管吻合部の狭窄が生じポンプのempty不良を認めた。そのため高い送血圧を要したが溶血が生じ、LDHの上昇を認めた。抗凝固療法調整、感染管理を徹底し重篤な臓器障害を回避し、移植適応を維持した。4年間の待機期間を経て9歳9ヶ月で心臓移植を行なった。移植前のPRA class 1は1.4%で比較的低値であった。移植後1か月後の心筋生検で急性細胞性拒絶反応を認め、ステロイドパルス療法にて改善した。また移植直後に肝胆道系逸脱酵素の上昇を認めたが半年後に正常化し、Fontan循環の肝予備能低下の影響が示唆された。
【結語】Fontan術後のVADを用いた移植待機は、個々の症例による慎重な管理が重要となる。本症例は、本邦における小児Fontan failure症例の心臓移植において、長期待機管理の可能性を示す一例と考えられた。
