講演情報

[I-OR06-06]新生児・小児心音データに対する機械学習を用いた先天性心疾患スクリーニング手法の検討

矢野 悠介1, 鈴木 寿人1,2, 林 知洸1, 出口 拓磨1, 野崎 良寛1,2, 村上 卓1,2, 林 立申3, 上野 裕一4, 今倉 暁5 (1.筑波大学附属病院 小児内科, 2.筑波大学医学医療系 小児内科, 3.茨城県立こども病院, 4.龍ケ崎済生会病院, 5.筑波大学 システム情報系)
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キーワード:

心音、機械学習、時間周波数解析

【背景】先天性心疾患(CHD)診療において聴診は簡便で有用な診断手段であるが、熟練を要し、評価の客観性に課題がある。近年、デジタル聴診器と機械学習を用いた心音解析が注目されているが、新生児/小児を対象とした研究は限られている。
【目的】新生児/小児心音データを用い、機械学習(ML)によるCHDスクリーニング手法の実用可能性を検討する。
【方法】心エコー検査を施行した新生児および小児を対象に、デジタル聴診器で心音を記録した。心音はフィルタ条件および聴取部位を変えて複数回収集し、心エコー所見を基準として正常・異常をラベル付けした。前処理の後人工的特徴量抽出および自動特徴量抽出を行い、それぞれ複数の次元削減法と機械学習(ML)手法、に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を組み合わせて分類モデルを構築した。
【結果】期間内に78例の参加者(新生児28例)からデータを取得した。人工的特徴量抽出および複数のML手法を用いた検討では、主成分分析とランダムフォレストの組み合わせで最も成績が良く、balanced accuracyは0.700であった。一方、32例を対象とした解析において、MFCC(メル周波数ケプストラム係数)およびCQT(定Q変換)による自動特徴量抽出とCNNを組み合わせたモデルでは、balanced accuracyは0.844であった。
【考察】心音解析においてデータの正規化やDWTによるノイズ除去などの前処理が分類精度に影響した。MFCC+CQTは人間の聴覚特性を考慮した特徴量抽出手法であるが、モデルが捉えている音響的特徴の解釈性は今後の課題である。また、特定の疾患群や機能性心雑音など、病態別における識別性能の検証が必要と考えられた。
【結論】機械学習を用いた新生児/小児心音解析は、CHDの簡便なスクリーニング手法として有用である可能性が示唆された。