講演情報

[I-OR09-03]神経性やせ症および回避・制限性食物摂取症における自律神経調節構造の破綻― 心拍変動指標ネットワーク解析による検討 ―

鈴木 由紀1, 岩原 可名人2, 高橋 健3 (1.NHO三重病院, 2.順天堂大学 医学部 医学研究科 小児思春期発達・病態学, 3.順天堂大学浦安病院 小児科)
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キーワード:

摂食症、心拍変動、自律神経調節障害

【背景】 神経性やせ症(AN)及び回避・制限性食物摂取症(ARFID)は自律神経機能異常を伴うが、従来の線形心拍変動指標では必ずしも異常を捉えられない。近年、ネットワーク解析は、自律神経調節の調節構造及び質的変化を捉える新たなアプローチとして注目されている。【目的】ANおよびARFIDの自律神経調節構造異常を、心拍変動指標のネットワーク解析により明らかにすることを目的とした。【方法】当科へ入院したAN40例およびARFID10例(摂食症群)と健常児群(N群)45例を対象とし、24時間ホルター心電図のデータを解析した。指標としてSD1、SD2、DFAα1、Higuchi fractal dimension(HFD)、Topology H0を用いた。1)睡眠6時間を1時間毎に区切った解析、2)24時間を3時間毎に分割した解析を行い、各時間帯における指標平均値、群間差、ならびに指標間相関ネットワークを評価した。さらに睡眠6時間の1時間毎データを用いてk-means法(k=3)による状態(Stage)分類を行い、Stage占有率および時間依存性を比較した。【結果】摂食症群は平均13.1± 2.3歳、N群は13.7±3.8歳。睡眠6時間において、摂食症群ではN群に比較しDFAα1は低下し、他の指標は高値を示した。ネットワーク解析では、N群で中心性の低かったDFAα1およびHFDが、摂食症群では中心となり、他指標との結合強度が著明に増大していた。状態解析では、摂食症群において高フラクタル・低変動特性を持つStage1の占有率が夜間後半から早朝にかけて有意に増加し、24時間解析でも夜間から早朝にかけて同Stageの持続的優位が認められた。【結論】摂食症群では、従来指標単独では副交感神経優位と捉えられるが、短期フラクタル指標がネットワークの中核を占める調節構造の硬直化による自律神経調節破綻様式を示しており、疾患横断的な病態理解および層別化指標として有用である可能性がある。