講演情報

[I-OR09-04]HRVネットワーク解析による超低出生体重児PDA手術前後の自律神経調節構造の変化

橋本 わかば1,2, 高橋 健1,2, 冨田 紗也佳1, 岩原 可名人1, 西山 樹1,2, 重光 幸栄1, 東海林 宏道1 (1.順天堂大学 医学部 小児科学講座, 2.順天堂大学 医学部附属浦安病院 小児科)
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キーワード:

心拍変動解析、動脈管開存症、自律神経変動

【背景】超低出生体重児では、動脈管開存症(PDA)に伴う循環不全が自律神経調節に大きな影響を及ぼすと考えられる。近年、HRV指標間の関係性をネットワークとして評価する手法が注目されている。【目的】PDA手術前後における自律神経調節構造の変化を、HRV指標のネットワーク解析を用いて縦断的に評価し、臨床的悪化を示唆する指標を探索することを目的とした。【方法】対象は当院でPDAの手術を行った未熟児2例(在胎24週0日、613g及び在胎25週6日、575gで出生)。モニターに接続したFAROS180心電計により取得された心電図データより、5分毎心拍変動データ(SD1, SD2, DFAα1, Higuchi fractal dimension, H0 mean)を用い、6時間窓でネットワーク解析を行った。各窓のネットワーク密度および平均ノードstrengthを算出し、k-means法(k=4)により状態を4段階(Stage 1-4)に分類し、Stage遷移、Stage 4滞在時間、遷移比、遷移エントロピーを手術前後±7日で比較した。【結果】平均的なネットワーク密度とノードstrengthは、手術前後で大きな変化を示さなかった。一方、術前には高結合状態(Stage 4)から低結合状態(Stage 1)への直接遷移が観察され、これらの遷移時には平均ノードstrengthが一過性に大きく低下する破綻的事象を伴っていた。術後はStage 4は引き続き出現したものの、Stage 4からStage 1への直接遷移は消失して遷移は段階的となり、調節構造の安定化が示唆された。【結論】HRVネットワーク解析により、高結合状態から低結合状態への破綻的遷移は、PDAに伴う自律神経調節不安定性を反映する危険サインである可能性が示された。本手法は、従来指標では捉えにくい自律神経調節の動的破綻を検出する新たな評価法となり得る。