講演情報

[I-OR10-02]シャント性先天性心疾患・重症肺高血圧症に伴うカテコラミン依存性右心不全に対するソタテルセプトの有用性

赤澤 祐介1,5, 檜垣 高史2,3,5, 山本 早紀1, 柏木 孝介3, 宮田 豊寿2,3, 前澤 身江子3, 千阪 俊行3,5, 太田 雅明3, 打田 俊司4,5, 山口 修1 (1.愛媛大学大学院 医学系研究科 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座, 2.愛媛大学大学院 医学系研究科 小児・思春期 療育学講座, 3.愛媛大学大学院 医学系研究科 小児科学講座, 4.愛媛大学大学院 医学系研究科 心臓血管・呼吸器外科学講座, 5.愛媛大学医学部附属病院 移行期医療センター(移行期・成人先天性心疾患))
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キーワード:

ソタテルセプト、肺動脈性肺高血圧症、大動脈肺動脈窓

【背景】重症肺動脈性肺高血圧症 (PAH) 合併シャント性先天性心疾患 (CHD) に起因する右心不全に対する治療選択肢は乏しい. ソタテルセプトはアクチビン伝達阻害薬として, 既存の肺血管拡張薬と機序の異なる新規PAH治療薬であるが, PAH合併シャント性CHDの右心不全に対する有効性に関する報告は少ない. 【症例】70代男性. 大動脈肺動脈窓に対し過去に2回の外科的閉鎖術を受けたが残存シャントを認め,重症PAH (mean PAP 56 mmHg), 右室拡大, 重度三尖弁逆流 (TR) を伴う右心不全を呈した. 以前に経カテーテル閉鎖 (Figulla Flex II)を試みたが,形態的な困難さから部分閉鎖に留まった. 部分閉鎖後はQp/Qs 1.33, mean PAP 45 mmHg, Rp 6.9 WUであり, 追加閉鎖術よりも肺血管拡張薬のup-titrationを希望された. しかしシャント量増加に伴う容量負荷が増加し, 心房細動, 僧帽弁・三尖弁逆流が進行して右心不全が増悪した. ドブタミン (DOB) および利尿薬持続静注を要するカテコラミン依存性右心不全となった. 高齢, 複数回の手術歴, 重症PAHおよび弁膜症を背景に再手術は高リスクと判断し, 追加のカテーテル閉鎖術を選択した. ステアラブルシースを用い完全閉鎖 (Amplatzer Vascular Plug II) に成功した. その後, 肺血管拡張薬の3剤併用療法を行ったが, 心エコーでの推定右室圧は77mmHgと改善に乏しいため, ソタテルセプトを導入した. ソタテルセプト導入後, 推定右室圧は43mmHgと低下を認め, DOBは離脱, 利尿薬は内服へ移行し退院に至った. 導入2ヶ月後のmean PAPは27mmHg, Rp 3.1 WUまで低下し, 右室拡大と TRの改善を認めた. 【考察・結語】ソタテルセプト導入後に肺動脈圧が大きく低下し, 右室拡大とTRの改善を伴ってカテコラミン依存性右心不全から離脱し得た. 病態に応じて血行動態を整えた上でソタテルセプトを導入する戦略は,重症PAH合併シャント性CHDの右心不全管理において強力な治療選択肢となりうる.