講演情報

[I-OR11-05]複雑型肺動静脈瘻で管理中に冠攣縮性狭心症を発症した小児例

國松 将也, 奥主 健太郎, 葉 ゆり, 濱田 洋通 (千葉大学医学部附属病院 小児科)
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キーワード:

急性冠症候群、肺動静脈奇形、冠攣縮性狭心症

【背景】小児における急性冠症候群は非常に珍しく、冠動脈瘤や先天性心疾患のない症例での報告は世界でも数例にとどまる。【症例】12歳男児。8歳時に酸素飽和度低下をきっかけに精査され、両側の複雑型肺動静脈瘻と診断された。3度のコイル塞栓術を施行されたが再疎通や動静脈瘻再発のため、肺区域切除術を予定されていた。入院1年前から発作性に頭痛、耳鳴、胸痛、気分不快、意識減損を2-3か月に1回の頻度で繰り返すようになった。頭部CT、MRI、MRAで異常所見なく、ホルター心電図検査でも不整脈を認めなかった。入院当日、午前中に気分不快あり保健室への移動中に意識消失した。教員によるbystander CPRが施行されAEDを装着されたが、ショック適応波形でないとされた。救急隊接触時に心拍はあり、近医で初期治療後当院へ搬送された。AEDによる心電図記録では意識消失時にST上昇を認めた。入院前に繰り返していた発作時にも自宅の心電計でST上昇が記録されていた。入院後に頭部MRI、脳波、ホルター心電図検査を行ったが異常はなく、アセチルコリン負荷試験はリスクを考慮して行わなかったが冠攣縮性狭心症を考え、診断的治療としてCaブロッカーの投与を開始した。以後同様の発作は消失し、退院2週間後に肺切除術を行った。【考察】川崎病冠動脈瘤や先天性心疾患のない小児において急性冠症候群をきたすことは稀である。本症例では複雑型肺動静脈瘻の存在から、家族歴はないが、基礎疾患として遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)を考えている。HHT患者に冠攣縮性狭心症を合併したという報告があり、冠動脈への奇異性塞栓により冠攣縮を起こすと考察されている。マウスではHHTの原因遺伝子の一つであるEngのハプロ不全で冠動脈攣縮を引き起こしたことが報告されている。今後ENGを含む遺伝子検査を行い、病態把握を進める方針である。【結語】肺動静脈瘻患児では冠攣縮性狭心症の合併に注意すべきである。