講演情報

[I-P02-02]NICUに入室したことで生後早期の2:1ブロックの発症に気づくことが出来た先天性QT延長症候群3型の一例

太田 隆徳, 山碕 涼太, 犬飼 幸子 (日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 小児科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

QT延長症候群、新生児、徐脈

【背景】先天性QT延長症候群(CLQTS)は乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因の9.5%をしめるという報告がある。今回、早産・低出生体重児のためNICUに入室したことで2:1ブロックの発症に気づくことが出来た一例を経験した。【症例】0歳女児。不整脈の家族歴なし。胎児期には不整脈の指摘なし。母胎は切迫早産のため入院管理を行っていたが,妊娠35週2日で破水し,同日出産となった。児は在胎35週2日2425gで出生し,出生後は呼吸障害を呈したため,早産児,低出生体重児,新生児一過性多呼吸の診断でNICUに入院した。NICU入室後心拍数は120-140程度であったが,生後11時間ごろ突然心拍数が60-70程度に低下した。12誘導心電図を撮影したところ,2:1ブロックを呈しており,QT時間はBazett補正で681msecと著明に延長していた。モニタ心電図を後方視的に確認すると1:1調律の時点でQT延長と交互性T波を呈していた。ブロック発症直後は循環不全徴候を認めなかったが,治療介入が必要なCLQTSと考え,生後24時間でアテノロール0.5mg/kg内服で治療を開始した。しかし,2:1ブロックに著変は認めず,末梢冷感やCRT延長などの末梢循環不全徴候が出現したため,生後57時間からメキシレチン5mg/kg内服を追加した。初回内服1時間後には2:1ブロックから1:1調律に復帰し, Bazett補正QT時間は540msecと改善,末梢循環不全徴候も経時的に改善した。以後はメキシレチンが最も効果的であったと判断し,血中濃度を確認しながら15mg/kgまで徐々に増量した。以後,2:1ブロックは出現することなく, Bazett補正QT時間は499msecとなっている。児の遺伝子検査ではSCN5Aの遺伝子変異が報告され, 先天性QT延長症候群3型と診断した。【考察】今回我々は,NICUに入室したことでいち早く2:1ブロックに気づくことが出来た症例を経験した。重度のQT延長を呈するCLQTSの児でも胎児期から出生直後は正常心拍数の症例が存在することに注意すべきと思われる。