講演情報

[I-P02-06]QT延長症候群の治療はいつまで必要か?― 健常小児ホルター心電図を用いた検討 ―

二宮 由美子, 田中 裕治, 吉永 正夫 (鹿児島医療センター 小児科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

QT延長症候群、ホルター心電図、最長QT間隔

【背景】QT延長症候群に対する治療開始基準は存在する一方で、治療終了に関する明確な基準は確立されていない。ホルター心電図で記録された夜間のQT間隔は、日中に施行される外来心電図での測定値よりも長くなることが知られている。このため当施設では、ホルター心電図を用いた経過観察を行っている。経過中にQT間隔が正常域近くまで改善する症例も認められることから、治療終了基準の作成は喫緊の課題となっている。【目的】健常小児のホルター心電図データを用いて、QT延長症候群に対する治療終了の目安となりうる基準を検討すること。【方法】健常ボランティアとして参加した小学生低学年40名、小学生高学年44名、中学高校生67名の計151名を対象にホルター心電図検査を施行した。QT間隔を5時間帯(深夜帯、起床時、午前、午後、夜間)で計測し、1日内における最長QT間隔を抽出した。QT間隔の補正にはFridericia法を用い、最長補正QT間隔をFmaxと定義し、各群における平均値を算出した。【結果】Fmaxの平均値±標準偏差は、小学生低学年0.425±0.02(範囲; 0.392ー0.469)、小学生高学年0.436±0.02(0.386ー0.471)であり、男女差は認めなかったが、両群間では有意差を認めた(p=0.01)。中学高校生では、男子0.440±0.02(0.406ー0.466)、女子0.448±0.02(0.404ー0.479)と、女子で有意に高値であった(p=0.04)。Fmaxの平均値+2SDは、小学生低学年0.463、小学生高学年0.474、中学高校生男子0.472、中学高校生女子0.482であった。【結論】健常小児におけるホルター心電図の結果から、QT延長症候群に対する治療終了を検討する際、Fmaxが小学生低学年では0.46、小学生高学年および中学高校生男子では0.47、中学高校生女子では0.48を継続して下回ることが、一つの目安となり得ることが示唆された。