講演情報

[I-P03-09]心室機能低下を伴わず房室伝導障害が遷延した急性リンパ性心筋炎の小児例

竹内 大二, 池端 綾音, 竹蓋 清高, 島田 衣里子, 朝貝 省史, 石戸 美妃子, 稲井 慶 (東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)
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キーワード:

急性リンパ性心筋炎、房室ブロック、ペースメーカ

室機能低下を伴わず、房室伝導障害が回復せず恒久的ペースメーカ植え込みを要した急性リンパ性心筋炎の小児例を経験した。症例は9歳男児。顔色不良と意識消失を主訴に地元病院へ救急搬送され、心拍数30から40 bpm、左脚ブロック波形と右脚ブロック波形が混在する高度房室ブロックを認め、右鼠径静脈経由で一時ペーシング(VVI 80 bpm)が開始された。心エコーでは正常構造心で心室壁運動低下や壁肥厚を認めず、BNP 12 pg/mL、CK 65 U/L、CK-MB 10 U/L、トロポニンI 107 pg/mL(翌日626 pg/mLがピーク値)と軽度上昇を認めた。地元病院で施行された初期心臓カテーテル検査では、肺静脈楔入圧28 mmHg、肺動脈圧39 mmHg、中心静脈圧16 mmHgと上昇を認め、急性心筋炎と拘束型心筋症の鑑別を要した。第3病日に当院へ転院し当日心臓カテーテル検査および心筋生検を施行するとともに、一時ペーシングを右内頸静脈経由の一時永久ペースメーカへ入れ替えた。再評価では、徐脈改善に伴い血行動態データは速やかに正常化していた。心筋生検にて急性リンパ性心筋炎と診断し、大量免疫グロブリン療法を行った。一時ペーシング管理中のため心臓MRIは施行できず、第13病日にFDG-PETを行ったが有意な心筋集積は認めなかった。自己心拍は部分的に回復したものの2度房室ブロックが遷延し、30日間の一時ペーシング継続後も回復を認めず、第33病日に経静脈的恒久ペースメーカ植え込みを施行し6日後に退院した。電気生理学的検査ではHVブロックと診断された。退院後、5ヶ月が経過したが房室ブロックが残存し心室ペーシングを要している。急性心筋炎においては、広範な心筋障害や明らかな心機能低下を認めなくても、刺激伝導系障害による徐脈を主症状とし、かつ回復しない症例が存在することに注意を要する。