講演情報
[I-P04-02]術後完全房室ブロックに対するペースメーカー管理中に心房性不整脈の追従により頻脈誘発性心筋症を発症した乳児例
○池端 綾音, 島田 衣里子, 竹蓋 清高, 朝貝 省史, 原田 元, 金城 貴彦, 石戸 美妃子, 竹内 大二, 豊原 啓子, 稲井 慶 (東京女子医科大学病院 循環器小児・成人先天性心疾患科)
キーワード:
頻脈誘発性心筋症(tachycardia-induced cardiomyopathy:TIC)、完全房室ブロック、高頻度心室ペーシング
【はじめに】乳児期の術後完全房室ブロックに対するペースメーカー治療における至適なペーシング設定は明らかにされていない。今回、心房性不整脈への追従による高頻度心室ペーシングが契機となり、頻脈誘発性心筋症(tachycardia-induced cardiomyopathy:TIC)を発症した乳児例を経験したため報告する。【症例】8か月女児。完全大血管転位症2型に対し日齢8に動脈スイッチ手術(Lecompte法)、心室中隔欠損閉鎖術、心房中隔欠損閉鎖術を施行後、完全房室ブロックを発症した。心外膜ペースメーカー植込みを行い、生理的ペーシングとしてDDDモード(上限180 bpm、下限110 bpm)で管理されており、心室ペーシング依存状態で経過していた。生後8か月時、胃腸炎を契機に心不全を発症した。心電図では心房頻拍/心房細動(AT/AF)を認め、上限レートである180 bpmで心室ペーシングが持続していた。左室駆出率は30%台に低下していたため、利尿剤・アミオダロン投与、およびペースメーカー設定をVVIモード(125 bpm)に変更した。数日でAT/AFは停止し、LVEFは60%台に改善した。その後もAT/AFは再発を繰り返したが、VVIモード下ではLVEFの低下を認めなかった。以上より、AT/AFに高心拍数での心室ペーシングが追従したことによるTICと考えられた。モードスイッチ機能を設定し、自宅退院後は、AT/AFを間欠的に認めるものの心不全なく経過している。【結語】術後房室ブロックに対するペースメーカー管理では、乳児であっても心房性不整脈の発症により持続的な高頻度心室ペーシングが生じ、TICを来す可能性がある。乳児に対して生理的ペーシングを行う場合は、上限レート設定やモードスイッチを含めたペーシング設定管理が重要である。
