講演情報

[I-P04-06]補充調律がでない完全房室ブロックとなり心肺蘇生を要した、完全左脚ブロックの一例

浅見 雄司1, 池田 健太郎1, 佐々木 祐登1, 稲田 雅弘1, 中島 公子1, 下山 伸哉1, 小中 英樹2, 畑岡 努2, 岡村 達2 (1.群馬県立小児医療センター 循環器科, 2.群馬県立小児医療センター 心臓血管外科)
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キーワード:

完全左脚ブロック、完全房室ブロック、補充調律

【背景】小児における完全左脚ブロックは極めて稀であるが、高度房室ブロックへ進行する例も存在する。今回我々は、補充調律がでない完全房室ブロックとなり心肺蘇生を要した、完全左脚ブロックの一例を経験したので報告する。【症例】3歳女児。既往歴、家族歴に特記事項なし。1週間前から感冒症状があり、無熱性けいれんで救急搬送となった。房室伝導が不安定で、突然完全房室ブロックとなり補充調律が極めて遅いため心肺蘇生を繰り返し施行した。アドレナリンやイソプレナリンへの反応は不良で、大腿静脈から右室ペーシングを開始して当センターに搬送となった。心収縮は保たれていたがトロポニンI 2182pg/mlと上昇あり、心筋炎に伴う伝導障害も考慮してIVIG、ステロイドパルス療法を施行した。入院3日目に房室伝導が回復するも完全左脚ブロックが続くため伝導障害が残存していると判断した。入院5日目に一時的ペーシングリードを右室心外膜に逢着しバックアップとした。その後も完全左脚ブロック波形は改善しないため伝導障害の改善は不可逆的である可能性が高いと判断し、入院15日目に恒久的ペースメーカー植え込み(左室心尖部心外膜へリード逢着)を行った。神経学的な後遺症はなく、入院23日目に退院とした。退院後8か月経過しており、房室伝導は保たれるものの完全左脚ブロックは続いている。不整脈の原因となりうる遺伝子のパネル解析では明らかにpathogenicと考えられるvariantは同定されなかった。【考察】本症例の発症までの経過は不明であるが、完全左脚ブロックから進行した完全房室ブロックである可能性が考えられた。完全左脚ブロックはHis-Purkinje系の広範な障害を示唆する報告もあり、完全左脚ブロックから進行した完全房室ブロックでは補充調律が極めて遅く心肺蘇生を要する可能性があるため、管理に注意が必要である。