講演情報

[I-P04-07]イバブラジンが発作性上室性頻拍の抑制に有効であった肥大型心筋症の6歳女児

工藤 舞花, 田代 克弥, 山口 賢一郎 (唐津赤十字病院 小児科)
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キーワード:

イバブラジン、肥大型心筋症、発作性上室性頻拍

【序言】イバブラジン(以下Iv)は洞結節の過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネルを阻害し、拡張期脱分極相の活動電位の立ち上がり時間を遅延させることで心拍数を減少させる。心収縮に影響なく心拍数を低下させ、成人では頻脈傾向の左室駆出率が低下した患者に使用されている。小児では心房頻拍症例等の抗不整脈治療として投与された報告が散見される。我々は、Iv導入が上室性頻拍の抑制に有効であった症例を報告する。【症例】6歳女児。出生時の心雑音を契機に発見された肥大型心筋症(遺伝子検査では特定の疾患診断に至らず。)を有し、乳児期からβ遮断薬を開始した。経年的に左室後壁の非対称性肥厚は進行しBNP 100pg/mL以上で推移していたため利尿剤とARBを追加していた。4歳時に強い咳き込みを契機に心拍数240/分のshort PR’、narrow QRS頻拍を認めATP急速静注で停止した。房室結節回帰性頻拍と診断しベラパミルを開始したが、その後も発熱や嘔吐を契機に発作を1~3か月毎に繰り返した。ベラパミル5mg/kg/日まで増量したところで洞房ブロックを呈したためベラパミルは中止し、アプリンジン1mg/kg/日へ変更したが、発作の抑制は不十分であった。カテーテルアブレーションも検討したが、家族からは薬物治療の継続を希望された。頻拍発作は160/分を超える洞性頻脈時に誘発されていたため、頻脈の抑制目的でIv 0.05mg/kg/日を追加した。安静時心拍数は100/分前後から60~80/分と減少し、開始後2年弱を経過したが頻拍発作は認めず、心機能も保たれ良好に経過している。【考察】心房頻拍や接合部異所性頻拍に対してはβ遮断薬が第一選択であるが、副作用のため心拍抑制に難渋する症例を経験する。Ivは心拍数調整に特化しており、本症例でもその有効性が明らかになった。【結語】小児に対するIvの使用経験は少なく使用には慎重であるべきだが、心不全治療のみならず抗不整脈薬としての可能性が示唆される。