講演情報
[I-P04-09]QT延長を来したプロピオン酸血症3例の臨床経過
○後藤 浩子1,3,4, 笹井 英雄2, 田中 秀門3, 寺澤 厚志3, 山本 哲也3, 高橋 一浩3, 桑原 直樹3, 桑原 尚志3, 加藤 千雄4 (1.名古屋徳洲会総合病院 小児循環器内科, 2.岐阜大学大学院 医学系研究科 小児科学, 3.岐阜県総合医療センター 小児循環器内科, 4.名古屋徳洲会総合病院 循環器内科)
キーワード:
2次性QT延長症候群、プロピオン酸血症、先天性QT延長症候群
【背景】プロピオン酸血症(PA)はプロピオニルCoAカルボキシラーゼの活性低下によって有機酸が蓄積する代謝異常症である。PAではQT延長が認められ、致死性不整脈を来すことが報告されている。PAの蓄積代謝産物によるIKs電流減少がQT延長の原因と考えられているが、治療法は確立していない。
【目的】小児期にQT延長を認めたプロピオン酸血症の3例を経験したため臨床経過を報告する。
【症例1】11歳女児。新生児スクリーニング(NBS)検査よりPAが示唆され、PCCB遺伝子にT428I/Y435Cの複合ヘテロ接合変異を認めた。カルニチン補充にて軽症PAであったが徐々にQT延長し、食事療法追加するも改善せず6歳でβ-blockerを開始。LQT遺伝子検査は陰性。11歳まで代謝・不整脈とも発作なし。【症例2】21歳女性。NBS正常で、嘔吐発作や意識障害なし。10歳の学校心電図検査でQT延長を指摘され精査にてPAと診断。PCCA遺伝子におけるp.R77Wヘテロ接合体およびエクソン7欠失を認め、LQT遺伝子検査は陰性。カルニチン補充、食事療法、β-blocker治療開始。代謝・不整脈とも発作なし。18歳頃よりQT延長は軽快しβ-blockerを中止し、再燃なく経過観察中。【症例3】24歳男性。PAのために1歳に生体肝移植をうけ、カルニチン補充、食事療法を継続。10歳の学校心電図検診でQT延長を指摘され、PA治療強化。12歳に数日来の吐き気後に学校でおにごっこ中にVF。LQT遺伝子検査でLQT1合併と判明し、β-blocker開始のほかICD植え込み実施。経過中に運動中にICD適切作動のほか、感染時に代謝発作あり。24歳現在もQT延長を認め、厳重に治療管理中。
【結語】PAではQT延長出現や重症度は様々である。T428I変異を有するPAや先天性LQTSの合併はQT延長や致死性不整脈に注意が必要である。十分なカルニチン補充や食事療法にてもQT延長が続く際はβ-blocker投与やICD植込みが必要であった。また、QT延長症候群の原因としてPAも念頭におかねばならない。
【目的】小児期にQT延長を認めたプロピオン酸血症の3例を経験したため臨床経過を報告する。
【症例1】11歳女児。新生児スクリーニング(NBS)検査よりPAが示唆され、PCCB遺伝子にT428I/Y435Cの複合ヘテロ接合変異を認めた。カルニチン補充にて軽症PAであったが徐々にQT延長し、食事療法追加するも改善せず6歳でβ-blockerを開始。LQT遺伝子検査は陰性。11歳まで代謝・不整脈とも発作なし。【症例2】21歳女性。NBS正常で、嘔吐発作や意識障害なし。10歳の学校心電図検査でQT延長を指摘され精査にてPAと診断。PCCA遺伝子におけるp.R77Wヘテロ接合体およびエクソン7欠失を認め、LQT遺伝子検査は陰性。カルニチン補充、食事療法、β-blocker治療開始。代謝・不整脈とも発作なし。18歳頃よりQT延長は軽快しβ-blockerを中止し、再燃なく経過観察中。【症例3】24歳男性。PAのために1歳に生体肝移植をうけ、カルニチン補充、食事療法を継続。10歳の学校心電図検診でQT延長を指摘され、PA治療強化。12歳に数日来の吐き気後に学校でおにごっこ中にVF。LQT遺伝子検査でLQT1合併と判明し、β-blocker開始のほかICD植え込み実施。経過中に運動中にICD適切作動のほか、感染時に代謝発作あり。24歳現在もQT延長を認め、厳重に治療管理中。
【結語】PAではQT延長出現や重症度は様々である。T428I変異を有するPAや先天性LQTSの合併はQT延長や致死性不整脈に注意が必要である。十分なカルニチン補充や食事療法にてもQT延長が続く際はβ-blocker投与やICD植込みが必要であった。また、QT延長症候群の原因としてPAも念頭におかねばならない。
