講演情報
[I-P05-02]RYR2遺伝子変異を認めた注意欠如多動症を伴う心房頻拍
○浦山 耕太郎, 森田 理沙 (あかね会土谷総合病院 小児科)
キーワード:
心房頻拍、遺伝子変異、注意欠如多動症
(背景)近年、遺伝学的研究と解析・診断技術の進歩に伴い、小児における不整脈疾患の遺伝子検査と診断の意義は高まっている。また意識障害や失神を来す症例において、不整脈と中枢神経疾患の鑑別は重要である。今回、RYR2遺伝子変異を背景とした注意欠如多動症(ADHD)を伴う難治性心房頻拍を経験した。(症例)生後6ヶ月より体重増加不良、生後9ヶ月で運動発達の遅れを認めた。生後11ヶ月の心臓超音波検査、十二誘導心電図は正常。1歳1ヶ月の頭部MRI施行時に頻脈を指摘。1歳9ヶ月に十二誘導心電図にて150bpmの頻拍を認め、当院へ紹介。異所性P波を認め、心房頻拍と診断。ジゴキシンを開始したところ、頻拍の出現率は減少し、上昇していたNT-proBNPも経時的に減少した。全般的な発達の遅れや多動に対して4歳で自閉症スペクトラム、ADHDと診断され、遺伝子検査を提出したところRYR2遺伝子変異を認めた。ADHDに対してアトモキセチンを開始後、頻拍の出現率が急増したため、中止。ジゴキシンからβ遮断薬・Naチャネル阻害薬へ変更した。その後、繰り返す失神を認め、植込み型心臓モニターを導入したところ、症状に一致して10秒間の洞停止を認めたため、洞不全症候群と診断、ペースメーカーを導入。脳波異常を伴うてんかん発作の合併もあり、抗てんかん薬を併用した。(まとめ)RYR2遺伝子変異はカテコラミン誘発多形性心室頻拍の原因で最も多い遺伝子変異であるが、RYR2は心筋だけでなく脳内にも発現し、不整脈と知的障害の両方に関連する可能性を指摘されている。本症例において難治性不整脈に加え、中枢神経異常の合併も説明でき、遺伝子解析が診断・管理に有用であった。
