講演情報
[I-P05-03]DC抵抗性異所性心房頻拍と心房粗動を呈し、薬物治療が有効であったSHOC2変異を伴う1乳児例
○浅井 ゆみこ, 小島 有紗, 内田 英利, 齋藤 和由 (藤田医科大学 医学部 小児科学)
キーワード:
心房頻拍、乳児、SHOC2遺伝子
【背景】 異所性心房頻拍(EAT)は乳児期に心不全や頻脈誘発性心筋症を来し得るが、電気的除細動(DC)抵抗性で心房粗動(AFL)を併発する症例は多くない。RAS/MAPK経路異常に関連する症候群では難治性心房性不整脈を呈することが知られているが、SHOC2異常における詳細な不整脈表現型の報告は限られている。【症例】 在胎40週0日、出生体重3146gの女児。日齢1に新生児痙攣疑いでNICU入院した際、心房性期外収縮(PAC)の散発を認めた。巨頭症であったが頭蓋内病変を認めず、心エコーで器質的心疾患はなく、左室駆出率(LVEF)は60~70%で、以後痙攣を認めなかったため外来経過観察となった。生後2か月、体重4.3kg時に予約外来を受診し、心電図で200/分以上のEATを認めた。心拍数は230~260/分まで上昇し、ATPおよびDC(3J、5J、10J)は無効で血圧低下を伴ったためICU管理とした。入室時LVEFは約45%で頻脈誘発性心筋症を伴う心不全と判断した。ランジオロール、ジゴキシン、フレカイニドによるレートコントロール中に鋸歯状心房波と1:2~4房室伝導を伴うAFLが出現したが、静注治療を継続しつつ内服(プロプラノロール、ソタロール、ジゴキシン)へ移行し洞調律が維持された。LVEFは60~70%まで改善した。成長発達障害、筋力低下、頭囲拡大、色白、疎で薄い色素の頭髪、眼間乖離を認め、遺伝学的検査でSHOC2変異を同定した。マイクロアレイは正常であった。以上から、Loose anagen hairを伴うNoonan様症候群と診断した。【まとめ】 本症例では、新生児期からのPACと神経発達異常を背景にEATが持続し、DC後も自動能が残存する中で心房リモデリングが進行し、AFL回路が成立した可能性が示唆された。SHOC2異常においてもCostello症候群様にDC抵抗性の難治性心房性不整脈を来し得ることが示され、多剤併用薬物療法により頻脈誘発性心筋症の可逆性が期待できると考えられた。
