講演情報

[I-P05-06]当院におけるFontan術後の上室性頻拍に対するカテーテルアブレーション

松原 一樹, 加藤 愛章, 村山 友梨, 伊藤 裕貴, 戸田 孝子, 藤本 一途, 岩朝 徹, 坂口 平馬, 大内 秀雄, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
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キーワード:

フォンタン、上室性頻拍、アブレーション

【背景と目的】Fontan 術後患者における上室性頻拍は血行動態に重大な影響を及ぼし、集学的な治療を要する病態である。その中でもカテーテルアブレーション(ablation: ABL)は重要な治療選択肢の一つであるが、その臨床的特徴にはなお不明な点が多い。本研究では、当院で ABL を施行した症例を後方視的に解析し、その臨床像を明らかにすることを目的とした。 【対象と方法】2011年~2025年に ABL を施行した Fontan 術後患者 24例(男性10例、女性14例)に対する 31件の ABL 手技と臨床経過について、後方視的に検討した。 【結果】背景疾患は三尖弁閉鎖7例、両大血管右室起始7例、右側相同5例、左側相同3例、完全大血管転位 1例、心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖 1例であった。Fontan術式はAtrio-Pulmonary Connection (APC) 7例、Intra Atrial Graft (IAG)が5例、Lateral Tunnel (LT) 3例、Extra-cardiac conduit (EC) 9例であった。ABL施行時の年齢は中央値30.0[25.0~32.5]歳、体重は47.0[43.8~60.5]kgであり、標的不整脈は心房内リエントリー性頻拍15件、異所性心房頻拍10件、房室結節回帰性頻拍2件、心房期外収縮/接合部/心房細動/房室回帰性頻拍がそれぞれ1件ずつであった。急性期成功率は78%で、追跡期間5.8[2.8~9.9]年の間に、半数の12件で再発または新たな心房頻拍の出現を認め、死亡例はなかった。術式別の再発回避率はAPC 50%、IAG 30%、LT 67%、EC 30%あった。なおAPCのうち2例は急性期成功の後にtotal cavoplulmonary connection(TCPC)へコンバージョン術を施行し、コンバージョン後に再発および新規心房頻拍の出現を認めなかった。 【結論】Fontan患者に対するABLは再発回避率は高くないが、上室性頻拍の管理における有力な治療選択肢の一つと考えられる。