講演情報

[I-P05-07]KCND3変異によるCardiocerebral channelopathy:Brugada/ERSスペクトラムとしての臨床像と治療経過

山田 浩之1, 伊澤 美貴1, 吉田 真由子1, 妹尾 祥平1, 永峯 宏樹1, 大木 寛生1, 前田 潤1, 福田 憲太郎2, 吉橋 博史2,3, 加藤 賢3 (1.東京都立小児総合医療センター 循環器科, 2.東京都立小児総合医療センター 臨床遺伝科, 3.東京都立多摩総合医療センター 循環器内科)
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キーワード:

KCND3、J wave syndrome、cardiocerebral channelopathy

【背景】 小児期のBrugada症候群(BrS)や早期再分極症候群(ERS)を含むJ波症候群(JWS)においてKCND3変異(一過性外向きカリウム電流増強)は心臓と中枢神経に共通するcardiocerebral channelopathyとして重篤な表現型を呈することが注目されている。 【症例】 12歳男児。幼少期よりてんかんとして加療され近年は発作抑制されていた。反復する失神を主訴に受診し、待合室で心室細動(VF)となり蘇生された。洞調律時心電図はII、III、aVF、V4-V6に著明なslurred J波を認めERSと診断した。V1-V3および高位肋間でBrugada Type 1所見は認めなかった。 二次予防としてS-ICD植込みを行いベプリジルを開始したが、退院後にVF再発しS-ICD作動を認めた。ベプリジル増量およびシロスタゾール追加後も心房細動/粗動(AF/AFL)の頻発とともにVF stormへ移行し、夜間安静時に好発、イソプロテレノール持続静注で一時抑制されるも離脱困難となった。 薬物抵抗性のため心外膜アブレーションを実施したが再燃を認めた。再手技の際、ピルジカイニド負荷にて右室自由壁にも異常電位が顕在化し、BrSとのオーバーラップが示唆された。マッピングで右室自由壁から左室後側壁~後下壁にかけて広範な低電位・遅延電位領域を認め、冠動脈走行に留意しつつ同領域に可能な限り面的焼灼を行った。術後不整脈は消失し、現在はキニジン単剤内服下で、約2年間VF再発およびS-ICD作動なく経過している。 全エクソーム解析にて、KCND3遺伝子にde novoヘテロ接合性ミスセンス変異(NM_004980.5:c.1174G>A, p.Val392Ile)を同定し、Sanger法で確認した。 【結語】 本症例は、既報で機能獲得型と報告されているp.Val392Ileに関連する「重篤なJWS(VF)、AF/AFL、てんかん」の表現型を呈した。KCND3変異陽性例はJWSの重症型の一つであり、薬物抵抗性VF stormに対しては、アブレーションを組み合わせた集学的治療が有効な可能性がある。