講演情報

[I-P06-06]Rastelli術後遠隔期の右脚ブロックに伴う心室間非同期性心不全に対して心臓再同期療法が有効であった一例

矢内 敦1, 小野 晋1, 加藤 昭生1, 池川 健1, 若宮 卓也1, 柳 貞光1, 橘 剛2, 上田 秀明1 (1.神奈川県立こども医療センター 循環器内科, 2.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

心室間非同期、右室ペーシング、Rastelli手術

【背景】
肺動脈閉鎖症やファロー四徴症に対する外科的修復術後には, 右室切開に起因する右脚ブロックを背景として心室間非同期が生じ, 遠隔期に心不全が問題となる症例がある.
【症例】
11歳男児. 心室中隔欠損症を伴う肺動脈閉鎖症. 生後6か月にRastelli手術(Yamagishi 15 mm tricuspid graft)を施行した. 1歳8か月時の心臓カテーテル検査で肺動脈弁逆流III度および右室拡張末期容積指数76.6 mL/m2を認めた. その後, 進行性の右室拡大と心室間非同期を認め, 11歳時の心臓カテーテル検査時に電気生理学的検査を施行した. 左室自己伝導に同期させた右室ペーシングにより心臓再同期療法をシミュレートしたところ, 自己伝導と比較して急性期血行動態の明らかな改善を認めた。同年に右室流出路再建術(ePTFE 24 mm tricuspid graft)および恒久的ペースメーカー植込み術を施行し, 心室リードは三尖弁輪近傍のacute marginに留置した.
【結果】
術前/術後20日目の比較では, 右室内非同期のtime to peak strainの標準偏差(RV-SD6)(msec)115/24.8,右室拡張末期面積(cm2)45.0/22.1, 右房面積(cm2)6.9/8.7, 右室面積変化率(%)26.5/42.6, 左室拡張末期容積(mL)66.1/67.9, 左房容積(mL)9.8/21.5, 左室駆出率(%)53.7/62.4, 左室流入血流比(E/A)1.22/2.72, 左室自由壁側E/e’ 10.0/9.4, 心胸郭比(%)60.8/59.0, QRS持続時間(msec)166/90, NT-proBNP(pg/mL)186.1/194.0であった. 右室内非同期の改善, 右室容積の縮小, および両心室収縮能の改善を認め, 自覚症状も軽快した.
【考察】
Rastelli術後遠隔期に心室間非同期を伴う心不全に対し, 右室ペーシングを用いた心臓再同期療法は有効な治療選択肢となり得る.