講演情報

[I-P07-01]大動脈弓再建術にシンフォリウムを使用した3例

長谷川 稜真1, 鈴木 昌代1, 小西 隼人1, 勝間田 敬弘1, 蘆田 温子2, 小田中 豊2, 尾崎 智康2, 岸 勘太2, 根本 慎太郎1 (1.大阪医科薬科大学 医学部 外科学講座 胸部外科学教室, 2.大阪医科薬科大学 医学部 泌尿生殖・発達医学講座 小児科学教室)
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キーワード:

大動脈弓再建術、シンフォリウム、大動脈縮窄症

【背景】2024年6月より市販開始となった心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、肺動脈領域だけではなく、日本小児循環器学会及び日本小児心臓外科医会の定める施設基準下において大動脈への使用が可能である。【目的】当院で埋植された大動脈縮窄症(CoA)の3例の患者背景および短期術後経過を後方視的に調査すること。【方法】全例胸骨正中切開で体外循環を使用。深低体温下半身循環停止を用い、脳分離灌流下に大動脈弓部小弯側をisthmusから左総頚動脈起始部を越えて縦切開し、切開部の遠位部に動脈管組織を取り除いた下行大動脈開口部上半周を接続。残る大動脈小弯側開口部にサイズを合わせたシンフォリムパッチを補填し、生理食塩水の含水によるカーリングを利用し、polypropylene糸連続縫合で縫着した。【結果】2024年12月から2026年1月までの連続3例(男女比1:2)。CoAは1例が単純、2例が複合であった。2例で両側肺動脈絞扼術の既往あり。手術時年齢は平均2.3ヶ月。CoA複合の2例で、大動脈弓再建術に併施して心室中隔欠損部と動脈管切除肺動脈開放部にシンフォリウムを埋植した。全例で縫合糸貫通孔にフィブリン・コラーゲンシートの貼付とフィブリンスプレー散布を行った。全例生存、軽快退院。重合併症は無く、全例に左反回神経麻痺を認めたが、2例で改善を認めた。術後フォローアップ期間は平均5.7ヶ月(中央値112日、範囲26~379日)で、埋植されたパッチの脱落や漏洩及び瘤化の発生は認めず。萎縮・硬化等による狭窄も認めなかった。本製品による関連合併症も全例で認めず。【結論】短期の観察期間において、大動脈へのシンフォリウム使用は従来使用されてきた自己心膜、異種心膜、合成パッチ等と比べ遜色ない結果であった。本症例は現在進行中である市販後調査における大動脈症例にも寄与しており、今後も更なる症例蓄積と遠隔期イベント調査から、意図する性能の有効性と安全性を評価する必要がある。