講演情報

[I-P07-05]第五大動脈弓遺残を伴う大動脈弓離断症に対する上行―下行大動脈バイパス術後遠隔期再手術の1例

中野 来海1, 大河 秀行1, 山川 将人1, 前野 元気1, 藤井 亮介1, 櫻井 寛久2, 櫻井 一3 (1.JCHO 中京病院 心臓血管外科, 2.あいち小児保健医療総合センター 心臓血管外科, 3.名古屋大学医学部附属病院 心臓外科)
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キーワード:

大動脈弓離断症、第五大動脈弓遺残、上行下行大動脈バイパス

【症例】在胎39週4日、2290gで出生した男児。出生直後から高拍出性心不全を呈しており、肝動静脈瘻および第五大動脈弓遺残(FAA)、大動脈弓離断症(IAA)A型と診断された。心不全の要因は肺血流増多と肝動静脈瘻による左右シャントの2つが考えられ、まず日齢5に両側肺動脈絞扼術を施行した。さらに静脈管の自然閉鎖に伴い全身状態は安定したが、日齢22にFAAの狭窄によるafterload mismatchを来たし大動脈弓再建の適応と判断した。手術戦略として(1)人工心肺使用下に正中切開で直接吻合、(2)人工心肺非使用下にFAAを利用しての再建、(3)人工心肺非使用下に人工血管バイパス術を検討した。(1)は肝機能の懸念と狭窄長が長いことから、(2)はFAAの脆弱性から回避した。(3)が最も侵襲も小さく確実性も高いと判断し、右側開胸でFAAを切除し6 mm人工血管でIn-situ bypassを施行した。PDAを維持する必要がなくなったためPGE1-CDを中止し自然閉鎖が得られたが、右室圧がoversystemicとなったため、日齢30に肺動脈絞扼解除(念のためPDA結紮術も併施)を施行した。以降経過良好だったが5歳時に成長に伴うbypassの相対的狭窄を認め、再介入の方針となった。Extra-anatomical bypassも検討したが、In-situ bypassのsize upの方がより大きな人工血管を吻合しやすい上に血流が競合せず生理的であり、2回目の手術なら癒着も許容と予想された。右側大動脈弓であり正中切開ではSVCが下行大動脈の視野を妨げると判断し、右側開胸でapproachした。部分体外循環下に14 mm人工血管へ置換し、術後経過は良好で、上下肢の圧較差も改善した。【結語】PFAAを伴うIAAは極めて稀である上、本症例は心不全の要因が経時的に変化する複雑な病態を呈した。各段階における病態を評価し、適切に介入することで救命に繋がった。人工血管は可能な限り回避したい選択肢であったが、心不全制御と解剖学的特異性から本症例では最善と判断している。