講演情報

[I-P07-07]大動脈弁輪拡張病変に対し、幼児期からのロサルタン投与が長期の経過で有効であったMarfan症候群姉弟例

迫 貴文1, 川村 順平1,2, 堀之内 健祐1, 上野 健太郎1,2, 岡本 康裕2 (1.鹿屋医療センター 小児科, 2.鹿児島大学病院 小児科)
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キーワード:

Marfan症候群、大動脈弁輪拡張症、ロサルタン

【背景】小児Marfan症候群(MFS)の大動脈弁輪拡張症(AAE)に対するロサルタンの有効性に関して、幼児期開始例の長期経過報告は限られる。
【症例】解離性大動脈瘤を発症しMFSと診断された母から出生した姉弟例。症例1:4歳女児。鳩胸の精査で当科を受診し、心エコー図検査でValsalva洞(SOV)径はz-score +2.5 SDでAAEを認めた。改訂Ghent基準7点と家族歴でMFSと診断した。ロサルタン 0.6mg/kg/dayを開始し、投与48か月後から1.0mg/kg/dayで維持した。内服30か月後でSOV径はz-score +1.1 SD、内服48か月後でSOV径はz-score +0.5 SDだった。症例2:3歳男児。心エコー図検査でSOV径はz-score +4.1 SDでAAEを認めた。改訂Ghent基準5点であったが、家族歴・水晶体脱臼・AAEでMFSと診断した。ロサルタン 0.6mg/kg/dayを開始し、投与36か月後から1.0mg/kg/dayで維持した。内服30か月後でSOV径はz-score +3.4 SD、内服48か月後でSOV径はz-score +2.5 SDだった。両症例ともに低血圧などの有害事象はなく、β遮断薬の併用は行われなかった。
【考察】6か月から25歳を対象に36か月間追跡した既報では、年齢が低いほどロサルタンの効果が高かった。AAEを伴うMFS小児 (年齢10.9±5.9歳) に対し平均83.6か月のロサルタンを投与した既報では、投与36か月後まではSOV径のz-scoreの減少を認めたが、それ以降の改善が乏しかった。3歳と4歳という幼児期早期治療を開始した本症例では、投与36か月後以降もz-scoreのさらなる減少を認めた。幼児期にMFSとAAEを診断し、投薬を開始した事が長期的な効果に繋がった可能性が示唆された。
【結論】AAEを伴うMFS幼児例におけるロサルタン導入は、AAEに対する長期の経時的効果をもたらす可能性がある。