講演情報
[I-P09-03]Harmony TPV留置後の感染性心内膜炎:Definite IE 1例とPossible IE 1例
○佐々木 赳1, 宋 知栄1, 中村 香絵1, 藤野 光洋1, 川崎 有希1, 吉田 葉子2, 鈴木 嗣敏2, 小澤 秀登3, 鍵崎 康治3, 杉山 央1 (1.大阪市立総合医療センター 小児循環器内科, 2.大阪市立総合医療センター 小児不整脈科, 3.大阪市立総合医療センター 小児心臓血管外科)
キーワード:
Harmony TPV、感染性心内膜炎、アトピー性皮膚炎
【背景】自己拡張型経カテーテル肺動脈弁(Harmony TPV)置換術は新しい治療選択肢である一方、感染性心内膜炎(IE)は重篤な合併症である。pivotal試験 pooled cohortの3-5年追跡では弁関連IEは2/86(2.3%)と報告されている。当院で施行したHarmony TPVI後にIEを来した2例を報告する。【症例1】22歳男性。TPV 25留置後2ヶ月で発熱後3日目にショック/DICで緊急搬送。血培でMSSA検出。心エコーではHarmony弁に疣贅が多発性に付着しており、造影CTで敗血症性肺塞栓を示唆する肺梗塞・空洞病変を認めた。感染症内科と協議し集学的治療下に抗菌薬治療を行い、血培陰性化を確認・全身状態の最適化後に外科的弁摘出+PVRを施行。摘出標本の培養は陰性。病理では少数の集簇菌塊を認めた。重症アトピー性皮膚炎があり、TPV25植え込み時はコントロール良好であったが、IE発症前には増悪していた。【症例2】24歳男性。海外留学中にTPV 25留置後約1年7か月で発熱し、血培複数セットでStreptococcus sanguinisを検出。VCMで血培陰性化後、静注治療計6週を行いAMPC内服へ移行し帰国。帰国後の当院の検査では炎症反応陰性、TEEで弁の軽度肥厚を認めるが疣贅/新規逆流・狭窄の進行を認めず。Possible IEとしてAMPC内服継続下に厳密フォロー中。内服継続期間は再燃監視を前提に感染症内科と検討中。【考察】TPVI後IEはブドウ球菌・連鎖球菌が多数を占める。アトピー性皮膚炎はS. aureus定着や皮膚バリア破綻を介して菌血症・IEリスクとなり得る。症例1経験後はアトピー合併例では留置前皮膚科併診を標準化し、留置後の発熱は早期受診を改めて周知した。また、IE治療後の抗生剤の長期抑制療法は適応が限定的で、根拠は確立していないため、Endocarditis teamでの個別判断を要する。
