講演情報

[I-P11-04]動脈管のアコーディオン現象を認めた成人ファロー四徴症の1例

河井 容子1, 中西 直彦2, 津端 英雄2 (1.京都府立医科大学附属病院 小児科, 2.京都府立医科大学附属病院 循環器内科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

成人先天性心疾患、動脈管開存、アコーディオン現象

【背景】血管のアコーディオン現象は、主に血管内治療の際、屈曲した血管がガイドワイヤー等で直線化されることで機械的に短縮・変形し、画像上で偽病変や多発性狭窄として見える現象である。多くは可逆的で、ガイドワイヤーなどの器具を抜去することで元の血管形態に戻るが、時に無用な治療介入や血流障害を起こすこともある。冠動脈や腹腔動脈での報告は散見されるが、動脈管(PDA)での報告はない。今回、動脈管閉鎖を試みた成人ファロー四徴症(TOF)の症例で本現象を認めたので報告する。【症例】45歳男性。診断はTOF、PDA。3歳時にTOF修復術を実施されたがPDAには気づかれていなかった。45歳時に心機能低下と高度の大動脈弁閉鎖不全を認め、精査の際にPDAも診断された。大動脈弁置換術の方針となったが、PDAについては経皮的閉鎖を試みることになった。Vascular plugでの閉鎖を目指したがPDAは非常に強く蛇行した形態でガイドワイヤー(GW)、カテーテルの通過に難渋した。6Fr Lancher JLでPDAにengageし、最終的に0.035 inch Radifocus stiff GWをPDAに通過させたところで著明な血圧低下を認めた。造影を行ったところ、PDAの著しい短縮を伴うアコーディオン現象を認め、そのことに併発する迷走神経反射による血圧低下と判断した。Radifocus GWを抜去したところPDA形態は元に戻り、血圧は速やかに上昇した。血管形態的に経皮的閉鎖は困難と判断し、手技を終了した。【考察】血管のアコーディオン現象は主に成人の冠動脈や腹部血管に対する血管内治療で認められるが、PDAでの報告はない。若年者のPDAは血管壁が柔らかいため、蛇行したPDAもGW挿入で進展するが、中高年以上のPDAでは血管壁硬化によるコンプライアンスや弾性の低下によりアコーディオン現象をきたしうる。解離や攣縮との鑑別が重要であり、GW抜去による改善が観察できれば不要な治療介入は避けられるため正確な診断が重要である。