講演情報

[I-P11-05]シンフォリウムを使用した肺動脈形成術後早期の肺動脈狭窄症へのバルーン拡張術を行った一例

稲田 雅弘1, 佐々木 祐登1, 浅見 雄司1, 中島 公子1, 池田 健太郎1, 下山 伸哉1, 畑岡 努2, 松永 慶廉2, 岡村 達2 (1.群馬県立小児医療センター 循環器科, 2.群馬県立小児医療センター 心臓血管外科)
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キーワード:

シンフォリウム、肺動脈狭窄症、バルーン拡張術

【背景】シンフォリウムは2023年に新しく承認された心・血管修復パッチで、生分解性成分の吸収過程で製品を置換するように自己組織が再生されると共に、非生分解性成分が伸張可能な特徴を持つ。これにより、従来の修復パッチの課題であった、遠隔期における石灰化など材料劣化や成長による相対的狭窄による再手術のリスクを軽減させると期待されている。また、その伸張性によりバルーン拡張術の有効性が期待できるが、報告はまだ少ない。今回本品を使用した肺動脈形成術後、早期に肺動脈狭窄を来した症例に対し、バルーン拡張術を行ったため報告する。【症例】1歳11ヶ月男児。出生後Williams症候群、弁上および末梢性肺動脈狭窄と診断。肺動脈狭窄に対し繰り返し経皮的血管形成術(P T A)を行うも効果に乏しく、1歳半で肺動脈形成術を施行した。この時、主肺動脈および右肺動脈は自己心膜を使用し、左肺動脈にシンフォリウムを使用した。術後経過は良好であったが、術後半年後の評価目的のカテーテル検査では左肺動脈分岐部は2.7mm(29.4%ofN)、圧較差20mmHgと狭窄を認めたため、Sterling 7.0mm*20mmを用いて14.0atmで2回P T A施行した。PTA後、狭窄部は4.0mm(43.6%ofN)に拡大し、圧較差も15mmHgと改善を認めた。【考察】吸収性糸が分解され消失するのが2年から3年と言われている。シンフォリウム使用症例に対するバルーン拡張術は、国内治験においては2例報告されており、1例は本品使用部位とは別部位の肺動脈狭窄に対してであり、もう1例は術後735日に行われたものである。 今回の症例の結果からは組織置換途中の強度が低下した術後早期においても、その伸張性が示唆された。引き続きデータの集積が望まれる。