講演情報

[I-P12-05]小児心臓手術周術期の巨大心臓血腫に対するCentral ECMO治療

永田 恵実1, 若松 大樹1, 今坂 堅一1, 桃井 伸緒2, 青柳 良倫2, 林 真理子2, 川島 綾子2, 高野 峻也2, 細矢 薫子2 (1.福島県立医科大学 心臓血管外科, 2.福島県立医科大学 小児科)
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キーワード:

心臓血腫、Central ECMO、外科治療

【背景】心臓血腫は、小児心臓手術における稀な合併症であり、治療法は確立していない。今回我々は、central ECMOを用いた保存治療により救命した、巨大心室中隔血腫と心外膜下血腫の症例を経験したので報告する。【症例】症例1:5ヶ月男児。劇症型心筋炎に対し、central ECMOを導入した。右房脱血に加えて左心耳からの脱血を行ったが、左室unloadingが得られず経僧帽弁的に左室脱血に変更した。ECMO導入20分後に脱血不良となり、経胸壁心エコーで心室中隔血腫を認め、左房脱血に戻した。血腫はその後拡大し、ECMO導入8時間後に39×44mmの大きさとなった。心筋炎による一時的な低心機能に加えて、巨大血腫による右室圧排および心室中隔のparadoxical motionによるstroke volumeの低下が懸念され、ECMO weaningは慎重に行い、14日目に離脱した。21日目には血腫は消失したが、心室中隔はdyskinesisであった。現在他院で心臓再同期療法を含む心不全管理中である。症例2:7ヶ月男児。特発性僧帽弁腱索断裂に対し、人工腱索およびAlfieri stichによる弁形成を行った。人工心肺離脱後、MUF施行中に循環破綻しcentral ECMOを導入した。経食道心エコーで、44×15mm大の左室自由壁心外膜下血腫を認め、左室が圧排され循環破綻を来したと推察された。ECMO導入後、血腫部の心外膜が心尖部方向へ断裂し、血腫はドレナージされた。露出した左室心筋表面からのoozingを認め、止血剤塗布と用手圧迫により止血を得た。左室unloadingのためECMO管理を継続し、4日目に離脱した。左室壁運動は正常化し、43日目に自宅退院した。術後3ヶ月現在、同部位の瘤化は認めていない。【結語】心臓血腫に対する循環管理にcentral ECMOが有用であった。心室中隔血腫は両心室へ影響を及ぼし、循環動態を複雑化させる。血腫が循環へ及ぼす影響は、血腫の部位や形態によって様々であるため、症例毎の厳重な管理が必要である。