講演情報

[I-P12-08]当院における小児心臓移植の成績と移植手術時の工夫

渡邊 卓次, 竹下 斉史, 富永 佑児, 柴垣 圭佑, 林 健太郎, 盤井 成光 (国立循環器病研究センター 小児心臓外科)
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キーワード:

小児心臓移植、重症心不全、外科治療

【背景】本邦の小児心臓移植ではサイズミスマッチでの移植を余儀なくされることもあり、通常の心臓移植でも多少なりとも吻合の工夫を要すること少なくない。今回当院における小児心臓移植の成績を報告し、さらに外科医として要した工夫や困難症例を提示したい。【対象・方法】対象は当院で2016年1月から2026年2月までに施行した18歳未満の小児心臓移植患児16例。基礎疾患は拡張型心筋症7例、拘束型心筋症1例, 左室緻密化障害 3例、不整脈源性心筋症 2例、劇症型心筋炎 1例、先天性心疾患術後 2例。移植時年齢は1.7-16歳 (中央値10歳)、移植待機期間は6か月-3.6年 (中央値2.3年)。移植前補助人工心臓 (VAD)装着は13例 (Berlin Heart EXCOR 11例, Jarvik2000 1例, HeartMate3 1例)、BiVAD 2例。VAD装着時年齢 1.1-12歳 (中央値6,9歳)、VAD装着期間は0.4-3.7年 (中央値 2.1年)であった。移植後成績ならびに移植手術データ、手技を後方視的に検討した。【結果】移植後5年生存率は100%で現在全症例が生存している。移植手術時間は中央値495分、人工心肺時間は中央値176分、Donor心虚血時間は中央値201 (114-242)分であった。Recipient/Donor体重比は中央値0.86 (0.35-1.15)であり、Primary graft dysfunctionは1例認めた。全例modified bicaval methodだが、2021年まで術後SVC狭窄が2/4例に認めた(1例PTA施行)。以降donor心は無名静脈分岐部程度まで採取するようにし、donor側あるいはrecipient側のSVCに切り込みを加えて可能な限り吻合口を大きくとるように工夫することでSVC狭窄を来した症例はない。【まとめ】小児心臓移植ではDonor心の縦幅長が短い場合もあり、吻合に工夫を加えることでSVC狭窄を回避し得た。本邦の小児心臓移植数はまだ少数で今後先天性心疾患術後の心臓移植も増加することが予想され、本邦の小児心臓移植の良好な成績を維持するには移植手術時の工夫を移植施設間で共有することが肝要と考える。