講演情報

[I-P13-02]RV-PAシャント後約3か月遷延する漿液性排液と凝固異常を呈し致死的転帰に至ったPerigraft seromaの1例

川口 直樹1, 永田 弾1, 村岡 衛1, 福岡 將治1, 永瀬 晴啓2, 松田 健作2, 原田 雄章2, 親谷 佳佑3, 白水 優光3, 中野 俊秀2 (1.福岡市立こども病院 循環器集中治療科, 2.福岡市立こども病院 心臓血管外科, 3.福岡市立こども病院 循環器科)
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キーワード:

Right ventricle-to-pulmonary artery shunt、Perigraft seroma、Coagulopathy

【背景】Perigraft seromaはePTFE人工血管を用いた心臓手術後に発症する稀な病態で、排液が持続することで低蛋白血症や凝固因子欠乏を引き起こす重大な合併症とされる。出血傾向や易感染性を併発すると集学的治療を要し、難治例ではgraft交換を要することがある。
【症例】8か月女児。総動脈幹症(Collett & Edwards分類A4)および大動脈弓離断(Type B)に対し、大動脈弁再建(Ozaki手術)およびRV-PAシャント術を施行されていた。大動脈弁逆流進行のため再手術目的に入院し、再Ozaki手術およびRV-PAシャントサイズアップ (リング付きePTFE graft, 6mm) を施行した。術後20日目に血腫除去のため再開胸を要した。その後も胸骨下ドレーンからの漿液性排液が持続し、血小板減少と凝固異常を伴い、新鮮凍結血漿および濃厚血小板輸血を反復投与せざるを得ない輸血依存状態となった。術後37日目および49日目に再開胸心膜腔ドレナージを要し、心膜液は漿液性であり、人工血管からの漏出を肉眼的に認めた。臨床経過よりePTFE人工血管からの血漿漏出によるperigraft seromaと診断した。シャント圧軽減目的に術後約3か月でRastelli手術 (ePTFE弁付き導管, 10 mm) を施行したが、術後に敗血症およびDICを合併、漿液性排液も遷延し、集学的治療にもかかわらず再手術後29日目に死亡した。
【結語】ePTFE人工血管を用いたシャント術後に持続排液と凝固異常を認めた場合、人工血管からの血漿漏出によるperigraft seromaを鑑別に挙げる必要がある。早期診断および血行動態の是正が重要であると考えられた。