講演情報
[I-P13-03]中心静脈カテーテル留置による大腿静脈閉塞
○吉田 礼1, 天方 秀輔1, 竹田 知洋1, 土田 裕子2, 宍戸 亜由美2, 藤岡 泰生2, 中尾 厚1, 稲毛 章郎2 (1.日本赤十字社医療センター 新生児科, 2.日本赤十字社医療センター 小児科)
キーワード:
大腿静脈閉塞、中心静脈カテーテル、先天性心疾患
【背景】当院では, 先天性心疾患の症例における周術期の中心静脈カテーテル(CV)留置を新生児科医が行っており, 伝統的に触診法で大腿静脈(FV)にCVを留置しているが, 術後のカテーテル検査でFV閉塞により右心系の評価が困難になることが散見されている。【目的】頸静脈(JV)と比べて径の細いFVでは, CV留置による血管閉塞のリスクが高いと考えられ, 実際の閉塞頻度やそのリスク因子を検討する必要があると考えた。【方法】2011年~2025年に当院でカテーテル検査を行った症例を対象とし, FV閉塞の有無, CV留置時の体格や留置期間, 留置中の検査結果などを後方視的に検討した。なお, FV閉塞は超音波または血管造影により診断した。【結果】FVにCVを留置して周術期管理を行い, 術後のカテーテル評価まで行ったのは348例であった。右FVにはのべ229本, 左FVにはのべ166本のCVを留置しており, 留置側に閉塞を認めたのは右FVで24.5%(56/229), 左FVで12.7%(21/166)であった。FV閉塞の有無で, 患者背景に差はなく, CV留置時の日齢や体重, 留置期間にも明らかな差は認めなかった。FV閉塞には血栓や炎症による閉塞が関連していると推測していたが, 留置期間におけるCRPやD-dimerの最高値, 血小板減少の有無も明らかな差を認めなかった。カテーテル関連血流感染症はFV閉塞群で10.4%(8/77)と有意に多かった(p=0.002)。【考察】CV留置時の体格や留置期間はFV閉塞と有意な関連はなく, FVにCVを留置した時点でFV閉塞の高リスクであるということを再認識した。【結論】術後もカテーテル評価が必要になってくるような先天性心疾患の症例では, 基本的にはFVにCVを留置することは避けるべきである。
