講演情報

[I-P13-06]体肺動脈シャント術後管理における圧制御量規定換気の有用性

林谷 俊和, 青木 一憲, 長井 勇樹, 椎間 優子, 黒澤 寛史 (兵庫県立こども病院 小児集中治療センター 集中治療科)
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キーワード:

術後管理、人工呼吸器、体肺動脈短絡術

【背景】体肺動脈(systemic-to-pulmonary:SP)シャント術後には、肺血管抵抗の変動が酸素化や血行動態に影響する。術後早期は呼吸器コンプライアンスが変動しやすく、換気量が不安定になりやすい。肺血管抵抗の変動を抑えるためには安定した呼吸管理が重要である。圧制御量規定換気(pressure-regulated volume control, PRVC)は、目標一回換気量を達成するために吸気圧を自動調整する呼吸器モードである。従圧式強制換気(pressure-controlled ventilation, PCV)よりも安定した換気が期待できるが、SPシャント術後の呼吸器管理においてPCVとPRVCを比較した研究はない。【目的】SPシャント術後管理におけるPaCO2およびpHの安定性をPCVとPRVCで比較する。【方法】後方視的単施設観察研究。2016年4月から2024年6月にSPシャント術後にPICUに入室した症例が対象。右室‐肺動脈導管、体外式膜型人工肺装着下で帰室した症例、カフなし気管チューブ使用例、筋弛緩薬非使用例、気管同時手術例は除外した。主要評価項目はPICU入室後24時間のPaCO2とpHの変動性とし、変動係数(coefficient of variation:CV)を用いて評価した。【結果】対象は79例(PCV群:46例、PRVC群:33例)であった。PaCO2について、CV(中央値[IQR])はPRVC群で有意に低値(PCV群 11.1 [7.4-15.6] vs. PRVC群 6.3 [5.5-8.2])であり、正常値(35-45 mmHg)からの逸脱率もPRVC群で低値であった(29.3% vs. 20.0%)。pHについてもCV、正常値(7.35-7.45)からの逸脱率ともにPRVC群で低値であった(CV:0.62 [0.48-0.79] vs. 0.34 [0.30-0.45]、逸脱率:39.4% vs. 10.0%)。PICU死亡率および人工呼吸期間に群間差はなかった。【結語】SPシャント術後管理において、PRVCはPCVと比較してPaCO2およびpHの変動を抑え、安定した術後呼吸管理に寄与する可能性が示唆された。