講演情報

[I-P14-02]閉塞性肥大型心筋症に対してシベンゾリンが有効だったNoonan症候群の小児例

鈴木 康太, 粟野 裕貴, 松木 惇 (山形大学医学部附属病院 小児科)
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キーワード:

Noonan症候群、肥大型心筋症、シベンゾリン

【はじめに】RASopathy関連の閉塞性肥大型心筋症 (HOCM)に対してシベンゾリンを使用した報告は少なく、その有効性は確立していない。今回、RAF1変異陽性のNoonan症候群に合併したHOCMに対してシベンゾリンを投与し、左室内圧較差の改善が得られた小児例を経験したので報告する。
【症例】12歳男児。出生時に特異的顔貌と腹壁ヘルニアに気づかれた。生後2か月時に下壁誘導の異常Q波と心室中隔の壁肥厚を認め、外来経過観察中に左室壁肥厚が増悪したため遺伝学的検査を施行したところ、RAF1遺伝子変異を検出しNoonan症候群に関連した二次性の肥大型心筋症と診断した。2歳時にエコーで左室中部の圧較差47 mmHgと進行あり、カルベジロールの内服を開始した。以後、カルベジロールを増量し左室内圧較差は30 mmHg前後で経過した。しかし、10歳時に左室内圧較差が60-70 mmHgと増悪し、カルベジロールを増量したものの改善に乏しく、11歳頃から労作時の胸痛を訴えるようになった。心臓MRI検査では、前年と比較して左室壁の肥厚が全周性に進行し、遅延造影は明瞭ではないものの、平均細胞外腔容積は25%から29%に上昇していた。既に高用量のカルベジロールを使用していたため、シベンゾリンの内服を追加したところ、左室内圧較差は経時的に改善し30 mmHg前後となった。12歳時に心臓カテーテル検査を行ったところ、左室内引き抜き圧較差は32 mmHg (左室心尖部-流出路部 148-116 mmHg)でエコー所見と同様だった。しかし、労作時の胸痛は変わらず、BNPは200 pg/mL程度で改善は認められなかった。
【考察】シベンゾリンは陰性変力作用だけでなく、左室の拡張能やリモデリングの改善からHOCMに有効との報告が散見される。本症例では、シベンゾリンの漸増に伴い左室内圧較差は軽減したものの、自覚症状やBNPの改善は認めなかった。RASopathy関連の二次性HOCMにおけるシベンゾリンの有効性について、より多くのデータの集積が望まれる。