講演情報
[I-P14-04]小児腹膜透析患者における心臓超音波検査による経時的評価の有用性 -左室肥大の進行を捉えた2症例-
○坂本 真季子1, 東 浩二1, 久野 正貴2, 古賀 健太郎1, 西畑 綾夏1, 佐藤 要1, 石井 徹子1, 青墳 裕之1 (1.千葉県こども病院 循環器内科, 2.千葉県こども病院 腎臓科)
キーワード:
心腎連関、左室肥大、腹膜透析
【背景】当院では2022年より小児腹膜透析(PD)患者を対象とした腎臓科・循環器科合同のスクリーニング体制を整え、原則年1回の定期的な経胸壁心臓超音波検査(TTE)を施行している。【目的】小児PD患者におけるTTEを用いた経時的評価の臨床的有用性を個別症例の検討を含め明らかにすること。【対象・方法】2022年12月から2026年1月までにTTEを複数回施行した小児PD患者7例(PD導入時年齢中央値16か月)を対象とし、心エコー指標(LVEF、LVGLS、E/A、E/e’、e’、LA area、LVPWTd、LVMI)と臨床経過を後方視的に検討した。【結果】観察期間中(中央値30か月)の死亡、腎移植、PD関連手術の施行はなかった。初回検査時(年齢中央値41か月)のLVEFおよびLVGLSは全例で正常範囲内(中央値77%、-22.8%)、期間中も有意な収縮能低下(LVEFの10%以上相対的低下または50%未満、LVGLSの15%以上相対的低下)はなかった。一方、経時的評価により左室肥大の進行を捉えた2例を提示する。【症例1】多発嚢胞腎、ネフロン瘻の男児(日齢67にPD導入)。導入後の無尿化に伴いLVMIが-0.1 Z-scoreから3.6 Z-score、LVPWTdが94%N から106%Nと左室肥大が進行した。【症例2】ネフロン瘻の女児(1歳4か月時にPD導入)。導入後に大動脈弁基部の異常組織(非石灰化)による弁開放不全を認め、LVMI が9.6 Z-score、LVPWTdが126%Nと著明な左室肥大を呈した。心臓手術または腎移植の介入時期を検討する上で経時的評価が有用だった。【結語】小児PD患者においてPD導入後短期間では収縮能は維持される傾向にあるが、無尿化や弁膜症合併に伴い左室肥大が進行した例がみられた。個別の病態に応じたTTEによる経時的評価は治療戦略を立てる上で有用である。
