講演情報

[I-P14-05]治療により心電図上心肥大所見が消失したファブリ病の1例

堀口 泰典1, 山川 裕之2 (1.国際医療福祉大学熱海病院 小児科, 2.慶應義塾大学 医学部 循環器内科)
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キーワード:

ファブリ病、心電図、酵素補充療法

【目的】検診で左室肥大を繰り返し指摘されていたファブリ病患者で治療開始後心電図が正常化した1例を経験したので報告する。【症例】1991年生男性。6歳頃から特に夏に野球の準備運動をするだけでも手足が痛くなった。痛みは「ハリネズミを握っているように手全体が刺されている感じ」で飲み物のボトルを持ったり靴を履いたりグラブに手を入れると激しくなった。夏太陽の下に1~2時間いると手足先端が痛くなり体温が39℃程度に上昇し動悸が生じた。室内に入り手足を蓄冷材で冷却しないと痛みは改善しなかった。体温は1日中下がらないため、「水風呂」に入るが血液が循環しているのを「熱いものが体内を廻っている」と感じた。追加して冷たいものを飲むとようやく37℃程度に下がった。学校心臓検診~就職後の社員健診の心電図で左室肥大を指摘されていた。22歳11ヶ月時、潰瘍性大腸炎のため入院した時、心電図上V1S+V5R=4.41mVと左室肥大であった。26歳9ヶ月よりアガラクトシダーゼ補充療法が開始されたが29歳2ヶ月時には2.98mVと正常化した。四肢疼痛、体温上昇等の症状も徐々に改善しつつある。【考案】ファブリ病はライソゾームのαガラクトシダーゼAが欠損し血管・心筋・心系などへ糖脂質が沈着する。X連鎖性劣性遺伝の疾患だがヘテロ接合体でも発症するとされる。多彩な諸症状(低汗症、四肢疼痛、先端感覚異常、下痢嘔吐、角膜混濁他)から診断に至るよりも、学校心臓検診の左室肥大例を精査する方が診断確定、治療開始へ短時間に到達可能と思われる。治療効果の評価も心電図で精密に行えるものと思われる。【結論】1)酵素補充療法により心電図が正常化したファブリ病の1例を報告した。2)心電図は患者スクリーニングや治療効果判定にとって簡便かつ有用である。