講演情報

[I-P14-08]異なる経過を辿った孤立性右室低形成の2例

加藤 周, 浅田 大, 海陸 美織, 福田 優人, 西野 遥, 山崎 隼太郎, 林 賢, 松尾 久実代, 石井 陽一郎, 青木 寿明 (大阪母子医療センター 循環器内科)
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キーワード:

孤立性右室低形成、チアノーゼ、三尖弁

【背景】孤立性右室低形成(IRVH)は重度の肺動脈弁や三尖弁の異常を合併しない稀な先天性心疾患であり、右室の大きさ・心房間交通の程度により、重症度は様々である。当院で胎児期に右室低形成と診断し、異なる臨床経過を辿った2例を経験したので報告する。【症例1】4歳男児。胎児期に右室心尖部の低形成を認め、肺動脈弁や三尖弁の異常はなく、IRVHと診断した。生後、心房間交通は右左短絡であり、SpO2 90%と低値であったため、酸素投与を開始した。生後11ヶ月の心エコーではPFOは左右短絡となり、右室心尖部の低形成は認めたが、心臓カテーテル検査で右室拡張末期容積(RVEDV)97%N、右室駆出率59%と容量、機能とも問題なく、酸素投与終了後もチアノーゼを認めず無症状で経過している。【症例2】10ヶ月男児。胎児期に右室心尖部の低形成を認めIRVHと診断した。生後の心エコーで軽度の三尖弁異形成を認めた。出生時はSpO2 70%台とチアノーゼが強く、プロスタグランジンE1、ドブタミン、酸素投与を要したが、生後2週頃よりSpO2 90%前後で経過した。循環作動薬を終了、PDA閉鎖後も酸素投与下にSpO2 90%前後で経過、生後1ヶ月で退院としたが、生後8ヶ月より酸素需要量は増加、体重増加緩慢になった。心エコーでは心房間交通は右左短絡のままであり、三尖弁逆流の増悪を認めた。生後10ヶ月の心臓カテーテル検査ではRVEDV 179%Nと拡大しているが、重度の三尖弁逆流を認め、心房間で右左短絡を認め室内気ではSpO2 80%とチアノーゼも残存、現在治療方針を協議している。【考察】症例1と比較して症例2は軽度の三尖弁異形成を認めたが、循環動態には影響を及ぼさないと考えられた。しかし、右室の成長に伴い三尖弁prolapseが悪化したことでチアノーゼが増悪したと考えられた。IRVHは、右室低形成の程度や三尖弁・肺動脈弁の形態・大きさにより臨床症状や予後が左右されることが考えられ、症例に応じた治療計画が必要である。