講演情報

[I-P14-10]冠微小循環障害(CMD)による胸痛を繰り返した高安動脈炎の6歳女児例

鈴木 大1, 八木 耕平1, 佐藤 大二郎1, 大軒 健彦1, 川合 英一郎1, 新田 恩1, 齋藤 秀嘉2, 梅林 宏明2, 小澤 晃1 (1.宮城県立こども病院 循環器科, 2.宮城県立こども病院 リウマチ・感染症科)
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キーワード:

高安動脈炎、冠微小循環障害、胸痛

【症例】 6歳女児。高安動脈炎に対し、ステロイド減量困難のため抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(TCZ)を開始した。開始1週間後に胸痛が出現し入院。12誘導心電図でI、aVL、V5-6のST上昇を認め、心筋逸脱酵素上昇および左室自由壁の心筋肥厚を呈した。冠動脈造影で有意狭窄を認めず、心臓MRIでは左室自由壁の肥厚と収縮低下を認めた。T2強調画像で有意な信号上昇を認めなかったが、native T1値の上昇を認めた。高安動脈炎に伴う心筋炎と診断し、免疫グロブリン療法により症状および心筋肥厚は改善し退院した。各種ウイルス検査は陰性であった。 発症3か月後、TCZを再開した2週間後に再び胸痛で入院。心電図ではaVR以外の広範な誘導でST上昇を認め、左室後壁の肥厚を認めた。アデノシン負荷心筋シンチグラフィでは中隔後部から下壁の虚血が疑われた。心臓MRIでは同部位に心筋浮腫や遅延造影を認めなかった。経過観察のみで症状、心電図所見は3日で軽快し、2か月後の心筋シンチグラフィで虚血所見は消失した。【考察】 MRIでT2信号上昇や遅延造影を認めず、負荷心筋シンチグラフィで可逆性虚血を認めたことから、本症例の病態として冠微小循環障害(CMD)の関与が強く疑われた。今後、再発時には心臓カテーテル検査による冠血流予備能(CFR)や微小循環抵抗指数(IMR)の測定、およびアセチルコリン負荷試験による冠攣縮性狭心症の除外診断を行う方針である。【まとめ】 高安動脈炎は大型血管炎に分類され、大動脈主要分枝の閉塞性病変が特徴的であるが、心筋障害の鑑別としてCMDも考慮すべきである。