講演情報

[I-P15-01]単一三次医療機関における小児急性心筋炎の臨床的検討

村上 卓1,2, 野崎 良寛1,2, 石踊 巧3, 矢野 悠介2, 出口 拓磨2, 林 知洸2, 高橋 実穂3, 高田 英俊1,2 (1.筑波大学 医学医療系 小児科, 2.筑波大学附属病院 小児科, 3.筑波メディカルセンター病院 小児科)
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キーワード:

急性心筋炎、機械的補助循環、心筋生検

【背景】小児急性心筋炎は稀だが重篤な疾患で、臨床像や転帰は多様である。【目的】三次医療機関における小児急性心筋炎の診療実態と課題を明らかにする。【方法】2011~2025年に当院に入院した18歳以下の急性心筋炎10例を対象とし、患者背景、症状、検査(トロポニンT、病原体検査、心筋生検、MRI)、治療(呼吸補助、機械的補助循環、人工ペースメーカー、急性期・慢性期治療)、転帰を後方視的に検討した。【結果】年齢中央値14歳(4か月~17歳)、男性8例、基礎・合併疾患を6例(発達障害2例、てんかん2例、注意欠陥多動障害1例、痙攣重積1例、脳症1例など)に認めたが、家族歴を含め心筋症はなかった。先行感染を8例に認め、1例はSARS-CoV-2ワクチン接種後に発症した。症状は発熱、胸痛各6例、失神、倦怠感、嘔吐各4例、心肺停止、動悸、呼吸障害各2例と多彩であった。検査はトロポニンT中央値3.89ng/mL(0.024~17.3ng/mL)、病原体陽性は3例(インフルエンザA・B(PCR)、Covid-19(抗原)各1例)であった。心筋生検は2例(リンパ球浸潤1例)、MRIは3例(LGE陽性2例)に施行された。治療は人工呼吸器管理6例、機械的補助循環5例(ECMO3例、IABP1例、IMPELLA1例)、房室ブロックの1例に人工ペースメーカーが導入され、急性期治療は8例(IVIG5例、強心薬3例、ステロイドパルス1例)に施行された。予後は心肺停止の2例が死亡し、生存7例(転院1例)中3例に慢性期抗心不全治療(β遮断薬3例、ACE阻害薬2例、MRA2例、利尿剤1例)が導入された。【考察】約半数で機械的補助循環を要し、体格に応じIABPやIMPELLAの選択が可能であった。心肺停止例は死亡し、生存例の約半数に慢性心不全治療を要したが、心筋生検やMRIの実施率が低く、方針に組織学的病態評価が反映されていない課題がある。【結語】小児急性心筋炎の救命には急性期の適切な循環補助が重要であり、組織学的診断に基づいた治療戦略の確立が求められる。