講演情報
[I-P15-02]急性冠症候群との鑑別に苦慮したループス心筋炎
○水流 宏文, 馬場 恵史, 額賀 俊介, 塚田 正範, 阿部 忠朗, 沼野 藤人 (新潟大学 医学部 小児科)
キーワード:
ループス心筋炎、急性冠症候群、SLE
【緒言】全身性エリテマトーデス(SLE)の心合併症として心内外膜炎、心筋炎、冠動脈病変が知られている。心筋障害とうっ血性心不全を呈し、急性冠症候群(ACS)との鑑別に苦慮したループス心筋炎を報告する。【症例】14歳女児。9歳時に自己免疫性溶血性貧血と診断され、ループスアンチコアグラント(LA)と抗カルジオリピン抗体が陽性であった。12歳時に腎炎と筋炎を合併した。14歳時、LA陽性低プロトロンビン血症症候群による過多月経で入院し、19病日にうっ血性心不全を呈した。心筋逸脱酵素の上昇、心エコーで心室中隔優位の左室壁運動低下と心膜液貯留、心電図で1-4 QS pattern、aVL陰性T波を認めた。CTでは左室中隔から前壁の内膜下に造影不良域があったが、冠動脈閉塞は認めなかった。ループス心筋炎とACSが鑑別にあがったが、心筋逸脱酵素の推移などからACSの可能性は低く、血行再建のメリットは乏しいと考えた。また、出血傾向と低心機能からCAGも侵襲は高いと判断し、ループス心筋炎に対する治療反応性を踏まえてCAGを行う方針としてステロイドパルス、免疫抑制薬、抗心不全治療薬で治療した。心膜液は減少したが、左心機能の改善は乏しく、MRIで左室心筋菲薄化と内膜下の遅延造影、心筋シンチグラフィで同部位の集積低下を認めた。治療2か月後のCAGで冠動脈の有意狭窄を認めず、ループス心筋炎と診断した。【考察】SLEにおける心筋障害ではループス心筋炎とACSの鑑別が重要である。本例は心不全を呈した際の心電図がOMIを疑わせる変化であったが、CT、MRIではACSと心筋炎の鑑別ができず診断に苦慮した。侵襲性を考慮してループス心筋炎の治療を優先し、最終的にCAGで診断に至った。
