講演情報
[I-P15-08]小児重症心不全患者の施設間搬送―移植医療集約化のボトルネックとしての「送る側」の現実―
○田邊 雄大1, 小野 頼母1, 満下 紀恵2, 小泉 沢1 (1.宮城県立こども病院 集中治療科, 2.静岡県立こども病院 循環器科)
キーワード:
集中治療、施設間搬送、重症心不全
【背景】小児重症心不全患者は、移植施設への集約・移植件数の増加により、救命例が増加している。小児重症心不全治療相談窓口などの寄与が大きい。しかし、重症心不全患者を搬送する手段はまだ手探りな状態である。小児重症心不全患者搬送における課題を整理し、今後の集約化の在り方について議論したい。【症例1】5歳女児。診断は、SRV、Fontan後の急性心筋炎。VA-ECMO管理(左室ベント併用)管理下でも心機能の改善がなく、移植目的で移植施設へ搬送。消防ヘリを利用。VA-ECMOであったが、搬送中のトラブルなし。同日VAD装着。術後に脳梗塞を発症。心機能が緩徐に回復してVAD離脱。【症例2】1ヶ月男児。診断は急性心筋炎。VA-ECMO管理を開始してから1週間経過しても心機能の改善なく、移植適応について他院に相談。ECMO離脱できなければ移植適応の可能性ありと判断。転院日の選定などを行ったが、開胸下 VA-ECMO下での搬送は困難と判断。その後、左室ベントの効果もあり、ECMO離脱が可能となり、結果的に搬送は不要であった。【症例3】7ヶ月女児。診断はDCM。LOSが進行し、心室性不整脈が出現。移植適応ありと判断。消防ヘリを利用し、high-flow nasal cannula装着状態で搬送。搬送時にはトラブルなし。転院後にVAD装着し、移植待機中。【問題点】小児重症心不全患者の搬送における問題点としては、ハイリスク搬送であること、搬送距離の長さ、確立された搬送手段がないこと、様々なトラブル対応を想定する必要性、密な連絡の必要性(施設間連絡、家族など)、並行して重症心不全管理を行う必要性、などがある。何より確実に移植施設へ搬送しないといけないという搬送元施設の感じる精神的負担が大きい。【結論】小児重症心不全患者の集約化が進む一方で、施設間搬送は「各施設の経験と判断」に依存している。小児重症心不全患者の施設間搬送というボトルネックをどのように克服すべきかについて議論する。
