講演情報

[I-P17-05]13歳で施行したPotts短絡術後、約10年が経過した重症肺高血圧の1例

高尾 浩之1, 岩本 洋一1, 石戸 博隆1, 先崎 秀明2, 増谷 聡1 (1.埼玉医科大学総合医療センター小児科, 2.日本医療科学大学)
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キーワード:

肺高血圧、Potts短絡術、肺血管拡張薬

【背景】Potts短絡は肺動脈と大動脈の間に作成された短絡で、肺高血圧(PH)の重症例でASD作成術と並び肺移植の手前の治療戦略に位置付けられている。海外で良好な成績が報告されているが、国内の報告は本例の既報を除き見当たらない。術後10年の遠隔期を迎えることができ、最近の評価と近況を報告する。【症例】22歳男性、ハンモック僧帽弁狭窄・逆流に対する人工弁置換術後、PH、Potts短絡術後、その後左室心尖部低形成様所見を伴う拘束型心筋症と診断した。37週出生、卵円孔早期閉鎖を疑われPHに対しベラプロスト、エナラプリルを投与して改善した。退院数か月でPHは再増悪した。1歳3か月で僧帽弁逆流が重度となり僧帽弁置換術を行った。その後もPHは増悪して体血圧を凌駕し、8歳時の評価で肺動脈圧130/80(99), PCWP 16, LVEDP 18, AoP 89/52(66), RpI 25.0でありPAH(1群)及び2群PHと診断された。心肺同時移植は希望されず、13歳時にPotts短絡・僧帽弁再置換術を同時に施行した。14歳時、肺動脈圧119/49(75), PCWP 20, LVEDP 20, AoP 86/57(71), RpI 11.0と肺血管抵抗は減少し、短絡をバルーン拡大した。年単位で等圧の肺高血圧に移行し、約10年が経過したが心不全入院なく経過している。肺血管抵抗・左房圧・左室拡張末期圧ともに高く、人工弁のため抗凝固も必要としている。喀血が再度みられるようになり、PT-INRを2台前半まで、抗肺高血圧薬は3系統から2系統に減じて継続している。喀血は改善した。【考察】内科的治療にも関わらず体血圧を凌駕する小児の重症肺高血圧では、Potts短絡の有用性が選択肢の一つとして挙げられる。肺血管拡張薬の進歩によりI群単独の該当例は少ないが、重度の病態が合併した体血圧を凌駕するPH症例で検討され得ると考えられる。