講演情報
[I-P17-09]白血球増多, 肺高血圧症を伴いECMOを導入したものの救命しえなかった百日咳の一乳児例
○佐々木 祐登1, 池田 健太郎1, 浅見 雄司1, 中島 公子1, 下山 伸哉1, 岡村 達1, 橘木 浩平1, 清水 真理子1, 清水 彰彦1, 平戸 純子2 (1.群馬県立小児医療センター, 2.公立富岡総合病院)
キーワード:
百日咳、肺高血圧、ECMO
症例は生来健康な生後二か月女児. 身長58.0cm, 体重 5.290kg, 入院12日前から咳嗽出現, 11日前に初回5種混合ワクチンを接種. 入院日より呼吸状態が悪化しSpO2 80%(室内気), 呼吸窮迫著明であり当院へ搬送された. 頻脈・頻呼吸があり, 聴診上coarse cracklesとレントゲン上浸潤影を認めた. WBC 86,500/μL, Ly 57%とリンパ球優位に白血球は増加し, エコー上TR vel 2.7m/sと肺高血圧を認めた. Multiplex PCRで百日咳が陽性であり百日咳肺炎として鎮静・NPPV・CAM及びSTを開始. 入院初日の夜に突発的なSpO2低下と痙攣の続発を複数回認め, 呼吸窮迫も改善しなかったため入院2日目に挿管しNO吸入療法を開始した. 入院3日目にWBC 128,000/μLとなり交換輸血を施行しWBC は19,900/μLと低下. TR vel 3.6m/sと肺高血圧が増悪し, 左心系は虚脱し血圧も不安定となり開胸下にVA-ECMOを開始した. 乏尿となりアシドーシスも進行したためCHDFも併用した. 人工呼吸器はlung rest設定とし, 以後肺野はレントゲン上white out. 浮腫は増悪し改善は見られず, 入院5日目に瞳孔は散大固定となり, 大泉門緊満と頭部エコー上脳室狭小化と脳血流減少を認めた. 入院8日目時点でTRPG 3.8m/sとPHの改善はなかった. 入院9日目に脳波の平坦化を確認し入院10日目に永眠した. 病理解剖で脳はrespirator brainだった. 肺は広範な出血性梗塞を伴う化膿性肺炎が見られ含気は不良であった. 明らかな白血球による塞栓像は見られなかった. 血栓の一部は初期の器質化が見られ肺高血圧との関連が考えられた.
百日咳が肺高血圧をきたす機序の主たるものとして, 白血球増多やそれに伴う過粘稠による肺血管の塞栓があり, これへの対応として交換輸血や白血球除去療法等が挙げられる. しかし本症例では病理解剖において白血球塞栓を示唆する所見は認めなかった. 肺高血圧は百日咳の重大な合併症の一つであり, 更なる機序の解明と治療法の確立が望まれる.
百日咳が肺高血圧をきたす機序の主たるものとして, 白血球増多やそれに伴う過粘稠による肺血管の塞栓があり, これへの対応として交換輸血や白血球除去療法等が挙げられる. しかし本症例では病理解剖において白血球塞栓を示唆する所見は認めなかった. 肺高血圧は百日咳の重大な合併症の一つであり, 更なる機序の解明と治療法の確立が望まれる.
