講演情報

[I-PD1-3]小児循環器集中治療医配置が心臓手術後の患者転帰に与える影響-Open ICUからSemi-closed ICUへ-

正谷 憲宏1, 小森 悠矢2, 和田 直樹2 (1.榊原記念財団附属 榊原記念病院 集中治療科, 2.榊原記念財団附属 榊原記念病院 小児心臓血管外科)
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キーワード:

Semi-closed ICU、小児循環器集中治療医、地域拠点化

【背景】集中治療医主体のICUの患者管理が患者転帰を改善させることは知られているが、小児循環器集中治療領域のデータは少ない。当院では2020年8月に小児循環器集中治療医が赴任し、小児診療班の術後急性期管理は小児心臓血管外科医が管理するOpen ICUから小児循環器集中治療医が主体となり小児心臓血管外科医と共に管理するSemi-closed ICU (Mandatory intensivist consultation)に変わった。
【目的】小児循環器集中治療医主体の術後急性期管理が心臓手術後の患者転帰に与える影響を調査する。
【方法】赴任前1年間の前期(2019年8月から2020年7月)と赴任後1年間の後期(2020年8月から2021年7月)に当院ICUに入室した小児診療班の心臓手術後症例を比較した。患者背景、手術情報、臨床経過、転帰を後方視的に診療録から抽出し比較・検討した。
【結果】前期は328例のうち304例、後期は342例のうち318例が心臓手術後の入室であった。新生児症例や成人症例の占める割合は両群間に有意な差を認めず、両群間でSTAT mortality Score/Categoryにも有意な差はなかった。ICU入室中の蘇生事象は前期16件から後期9件に減少したが統計学的に有意な差はなかった(p>0.05)。しかし、ECPRの件数は前期14件から後期3件と有意に減少した(p=0.02)。ICU内での死亡は前期9例、後期5例と有意な減少はなかった(p>0.05)が、死亡退院は前期17例から後期7例に有意に減少した(p=0.03)。また、ECPRの減少は死亡退院の減少に関連していた。
【考察】患者重症度に有意な差は無かったが、当院において小児循環器集中治療医主体の術後急性期管理は退院時転帰を有意に改善した。
【結論】心臓手術後の急性期管理において小児循環器集中治療医の関与は患者転帰に良い影響をもたらす可能性がある。地域拠点化には十分な経験を積んだ小児循環器集中治療医の確保が重要であり、Semi-closed ICUまたはClosed ICUが理想的と思われる。