講演情報

[I-PD1-5]この子の主治医は誰ですか? ー 小児心臓外科術後管理の本質とSemi-closed ICUの役割

平野 暁教 (埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科)
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キーワード:

小児心臓手術、ICU、チーム医療

【背景・目的】 小児心臓手術後の集中治療管理体制は、小児心臓外科・小児循環器主導のOpen ICU、ICU専門医主導のClosed ICU、3者が協働するSemi-closed ICUの3形態に大別され、各施設が独自の体制で術後管理を行っているのが現状である。本発表では3形態を経験した小児心臓外科医の立場から各体制の構造的問題を整理し、日本の小児心臓外科領域に適した管理体制を考察する。

【各形態の課題】 Open ICUは小児心臓外科医・小児循環器医のcommitmentが高い反面、病棟内の連携不足が生じたり、ICU管理という面で劣る。Closed ICUはICU管理の標準化を実現するが、小児心臓外科医・小児循環器医の関与低下に伴う意思決定の遅延が問題となる。
【Semi-closed ICUの優位性】 Semi-closed ICUが機能する理由は3点に集約される。①患者ownershipの明確化——「この患者を診ているのは自分たちだ」という意識が管理の質を担保する。②多職種が同じテーブルで議論できる風通しの良さ——異なる専門性がリアルタイムで交差することで、管理の死角が減る。③意思決定の主体が明確でありながら、決定がチームに帰属する構造——「誰かの独断」でも「責任の拡散」でもない意思決定文化が醸成される。
【結語】 ICU体制の選択は制度論ではなく、チームが患者をどう診るかという文化の問題である。Semi-closed ICUは万能ではないが、演者として日本の施設規模と文化的背景に最も適合しやすい体制として感じており、このセッションでの議論のたたき台としたい。