講演情報
[I-PD3-5]Bail out! Hybrid Balloon Angioplasty中に肺動脈損傷をきたし, 外科的修復を要した一例
○大森 紹玄1, 中村 甫1, 河島 裕樹1, 矢野 瑞貴1, 西木 拓己1, 小澤 由衣1, 益田 瞳1, 白神 一博1, 鹿田 文昭2, 犬塚 亮1 (1.東京大学 医学部附属病院 小児科, 2.東京大学 医学部附属病院 心臓外科)
キーワード:
カテーテル治療、ハイブリッド治療、外科手術
【症例】月齢3, 男児, 体重4.5 kg. 両大血管右室起始・肺動脈閉鎖・右大動脈弓に対し左modified BTT shunt(左側腕頭動脈-左肺動脈)および左肺動脈形成術後, 左肺動脈(LPA)が最狭部0.7 mmと高度に狭窄し, 経皮的balloon angioplasty (BAP)を試みたが, BTTSからLPAへの急峻な角度のため治療を断念した. 最狭部径の小ささから外科的パッチ形成の効果は期待しにくく, 開胸・人工心肺下にBTTS断端からカテーテル・ガイドワイヤを挿入してLPAにBAPを行い, さらに右室-肺動脈導管を縫着するhybrid治療を計画した. 胸骨正中切開, 右房脱血・上行大動脈送血で人工心肺を確立し, BTTS/LPA周囲を癒着剥離した. BTTSグラフトを腕頭動脈側で切離し, 断端より6Frシースを挿入, タバコ縫合でグラフトとシースの間隙を閉鎖した. シースからの造影(Cアーム使用)で最狭部0.3 mm, 末梢レファレンス径2.7 mmと計測. Corsair PVマイクロカテーテルと0.014” AgosalガイドワイヤをLPAに進め, 2.0 mm径, 次いで4.0 mm径のRapid StreamバルーンカテーテルでLPAを拡大した. 拡張終了直後に術野に出血を認め, LPA形成パッチ遠位端の縫合部に裂開を認めた. 縫合再形成を試みたが血管壁が脆弱で修復できず, 最終的に3.0 mm ePTFE interposing graftによるLPA形成および上行大動脈からのcentral shunt (3.5 mm ePTFE graft)術を実施した. 開胸・V-A ECMO装着下でPICUに帰室し, POD3 ECMO離脱, POD6 二期的閉胸を行った. 現在術後5か月, 残存するLPA狭窄に対しBAP反復を要しているが, 開存を維持している. 【考察】通常の肺動脈に対するBAP時には, バルーン径の上限を最狭部径の300%, 参照血管径の150-200%程度としている. しかしHybrid-BAPにおいては標的部位周囲の癒着が剥離されており, 上記基準ではバルーンサイズ過大となる危険性がある. Hybrid治療においては, 外科・内科間の密なコミュニケーションが, トラブル対応時に特に重要である.
