講演情報
[I-PD4-5]Fontan術後遠隔期の肝硬変合併症例の臨床像
○木戸 高志1, 久呉 洋介1, 小森 元貴1, 加藤 温子2, 石井 良2, 石田 秀和2, 成田 淳2, 上野 高義1, 宮川 繁1 (1.大阪大学大学院 医学系研究科 心臓血管外科, 2.大阪大学大学院 医学系研究科小児科)
キーワード:
Fontan、肝硬変、心不全
(背景)Fontan手術後遠隔期には、慢性的な静脈圧上昇に起因する肝障害が高頻度に認められる。本研究では、当院におけるFontan術後遠隔期肝硬変合併症例を後方視的に検討し、その臨床像と現状の問題点ついて検討した。(方法)当院で2006年以降に診療を行った10歳以上のFontan術後症例のうち、肝硬変合併例について検討を行った。(結果)Fontan術後全61例のうち、肝硬変と診断された症例は11例。初回Fontan術式はAPCが2例、Bjorkが1例、LT-TCPCが6例、EC-TCPCが2例で、手術時年齢は中央値6.1歳(4.8-15.6)。APCの2例とLT-TCPCの5例は初回Fontan術後13.5年(12.5-20.2)でEC-TCPCにconversionした。肝硬変の診断はCT画像および肝生検が4例、CT画像のみが7例で、初回Fontan術後28.3年(15.6-30.0)年に診断された。肝硬変診断時のNYHA分類はIII度が6例、I-II度が5例で、CVPは17mmHg(16-19)。肝硬変診断後の経過観察期間は4.6年(3.6-10.5)で、6例は難治性腹水や腎機能障害を併発し死亡。生存している症例のうち、3例は肝臓癌を発症し肝部分切除、TACEまたはRFAを施行しているが、NYHAI-II度で経過観察中。(考察/結語)Fontan術後に肝硬変を合併した症例の予後は不良であり、肝硬変に至る前段階での心臓移植が望ましいと考えられている。しかし、Fontan術後症例は自覚症状に乏しく、移植登録の適切なタイミングを判断することは現状では困難である。したがって、Fontan術後における肝硬変進行を予測するモデルの確立が求められる。また、すでに肝硬変へ進行した症例に対する治療戦略の確立は喫緊の課題であり、とりわけ心肝同時移植を含めた治療体制の整備が必要である。
