講演情報
[I-PD5-1]川崎病の臨床研究の歩み-ガイドラインの軌跡と展望-
○三浦 大1, 小林 徹2 (1.東京都立多摩南部地域病院 小児科, 2.横浜市⽴⼤学 発生成育小児医療学)
キーワード:
川崎病、急性期治療、ガイドライン
【はじめに】川崎病急性期治療のガイドライン(GL)は,日本小児循環器学会の学術委員会によって,今までに3版が作成された.このGLは,循環器関連のみならず小児科の全般的な領域で使用され,日本の川崎病の臨床をリードしてきた.過去のGLの軌跡をたどり,未来への展望を語りたい.
【軌跡】初めて発表された2003年版では,免疫グロブリン静注療法(IVIG)の単回投与が重視され,公知申請による保険適用に結びついた.IVIG不応例に対する治療として,IVIG追加,プレドニゾロン(PSL),メチルプレドニゾロンパルス(MP),ウリナスタチン(UTI),血漿交換などが記載された.2012年版は,エビデンスレベルを示した本格的GLとなった.初めて提示された急性期治療のアルゴリズムでは,1st lineにおけるIVIG不応予測スコアとPSL・MPの初期併用が紹介された.また3rd lineの治療として,インフリキシマブ(IFX)とシクロスポリンA(CsA)が加わった.これらのGLを主導した佐地勉先生の遺志を継いで,2020年版が作成された.新しいアルゴリズムは1枚の図に集約し,各lineの治療を標準・推奨・考慮の3 種類に分類した.IVIG単回投与とアスピリン経口投与を標準とし,1st lineの初期併用にはPSLとCsAを推奨,MPとUTIを考慮とした.2nd lineでは,IVIG追加を推奨とし,PSL・MPのほかにIFXを考慮に位置付けた.
【展望】今後取り組むべき急性期治療の研究テーマとして,冠動脈病変を抑制するため,初回IVIG をPSLまたはCsA併用で強化しても不応になる例,治療前の冠動脈拡大例や乳児例の対策が重要である.一律の治療でなく,重症度・サブグループ・サイトカイン・遺伝子の解析に応じたオーダーメード治療も進めるべきと考える.IFXに続く生物学的製剤の適用取得と使い分けも期待される.川崎病発見の地であり,圧倒的に症例数の多い日本からエビデンスを発信し,2030年までにGLを改訂することが望まれる.
【軌跡】初めて発表された2003年版では,免疫グロブリン静注療法(IVIG)の単回投与が重視され,公知申請による保険適用に結びついた.IVIG不応例に対する治療として,IVIG追加,プレドニゾロン(PSL),メチルプレドニゾロンパルス(MP),ウリナスタチン(UTI),血漿交換などが記載された.2012年版は,エビデンスレベルを示した本格的GLとなった.初めて提示された急性期治療のアルゴリズムでは,1st lineにおけるIVIG不応予測スコアとPSL・MPの初期併用が紹介された.また3rd lineの治療として,インフリキシマブ(IFX)とシクロスポリンA(CsA)が加わった.これらのGLを主導した佐地勉先生の遺志を継いで,2020年版が作成された.新しいアルゴリズムは1枚の図に集約し,各lineの治療を標準・推奨・考慮の3 種類に分類した.IVIG単回投与とアスピリン経口投与を標準とし,1st lineの初期併用にはPSLとCsAを推奨,MPとUTIを考慮とした.2nd lineでは,IVIG追加を推奨とし,PSL・MPのほかにIFXを考慮に位置付けた.
【展望】今後取り組むべき急性期治療の研究テーマとして,冠動脈病変を抑制するため,初回IVIG をPSLまたはCsA併用で強化しても不応になる例,治療前の冠動脈拡大例や乳児例の対策が重要である.一律の治療でなく,重症度・サブグループ・サイトカイン・遺伝子の解析に応じたオーダーメード治療も進めるべきと考える.IFXに続く生物学的製剤の適用取得と使い分けも期待される.川崎病発見の地であり,圧倒的に症例数の多い日本からエビデンスを発信し,2030年までにGLを改訂することが望まれる.
