講演情報

[I-PD5-3]プレドニゾロン併用療法の有用性と課題

赤星 祥伍 (東京都立小児総合医療センター)
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キーワード:

川崎病、ステロイド、冠動脈瘤

【はじめに】川崎病における副腎皮質ステロイド療法は、かつて冠動脈瘤(CAA)形成を助長する懸念から一部で禁忌に相当する扱いを受けた歴史がある。しかし、初期免疫グロブリン(IVIG)不応予測に基づいた初期併用療法の有効性が示されて以降、その位置づけは大きく変化してきた。本セッションでは、これまでの主要な臨床試験やメタ解析の流れを整理し、現在の有用性と残された課題を展望する。
【有用性のエビデンス】近年の複数のメタ解析や臨床試験において、IVIGにプレドニゾロン(PSL)を併用することで、IVIG単独療法と比較してCAA発生リスクを低減させる可能性が示されている。特に重症例や不応予測例においてその意義が強調されることが多い。また、発熱期間の短縮や炎症反応の早期消退、追加治療を要する割合の低下など、臨床経過の改善に寄与するデータも蓄積されつつある。
【現在の課題と展望】一方で、最適な症例選択(多民族におけるリスクスコアの精度など)、投与レジメン(経口PSL投与とパルス療法の使い分けや減量プロトコル)、および診断時にすでにCAAを認める例への対応などは依然として議論の余地がある。近年でもPSL併用に対するパルス療法の追加意義について様々な見解が報告されており、症例ごとの慎重な個別化戦略が求められている。
【結語】ステロイド併用療法は、急性期治療における重要な選択肢の一つとして認識されるようになったが、その「誰に、いつ、どのように」介入するかという最適解については、不応例に対する他薬剤(シクロスポリン、インフリキシマブ等)との役割分担を含め、さらなる知見の集積が待たれる。